「日本維新の会」の石井章・参院議員(68)=比例=が公設秘書の給与を国からだまし取った疑いがあるとして、東京地検特捜部は27日、詐欺の疑いで石井議員の事務所などへの家宅捜索を始めた。資料などを押収し、実態解明を進める。 27日午前10時ごろ、茨城県取手市にある地元事務所や東京都千代田区にある国会事務所などに、特捜部の係官数人がそれぞれ入った。 石井参院議員は茨城県の取手市議などを経て、2009年8月の衆院選に民主党から立候補して比例北関東ブロックで初当選した。その後、国政選挙で3回落選したが、16年7月の参院選で「おおさか維新の会」から立候補し、比例区で当選。22年7月の参院選で「日本維新の会」から立候補し、比例区で再選した。 公設秘書の給与詐取事件は、00年代前半までに辻元清美・前衆院議員(当時。現在は参院議員)が逮捕されるなど相次いだ。このため、議員の配偶者の採用禁止や秘書への直接給与支給などを盛り込んだ改正国会議員秘書給与法が04年に成立した。 昨年8月には、広瀬めぐみ元参院議員が勤務実態のない秘書の給与をだまし取ったとして詐欺罪で在宅起訴され、有罪が確定している。