元勤務先の役員を包丁で刺したとして、警視庁は12日、エチオピア国籍で無職のゲブレマリアム・メスフィン・ムラレット容疑者（61）を殺人未遂容疑で現行犯逮捕し、発表した。当初刺したことを認め、その後に「脅すつもりで包丁を持っていったが、その後のことは覚えていない」と供述している。 赤坂署によると、逮捕容疑は同日午後5時20分ごろ、東京都港区赤坂3丁目のビル3階に入るアパレル会社の事務所で、30代の男性の腹部を包丁で刺すなどしたというもの。男性は意識不明の重体という。男性のほかに、包丁を取り上げようとした会社関係者の30代の男性が、右手の指を切るけがを負った。 容疑者は、現場となったアパレル会社の営むバーで1年ほど前までバーテンダーをしており、刺された男性は会社の役員だったという。容疑者は調べに「（男性に）次の仕事の面倒を見ると言われていたが、進展がなかった」と説明しているといい、同署は、2人に雇用をめぐるトラブルがあった可能性があるとみて調べる。 現場は、東京メトロ赤坂駅から北に約200メートルの繁華街。（板倉大地）