【09月19日 KOREA WAVE】韓国で小学生を狙った誘拐・連れ去り未遂事件が続発する中、過去の類似事件では初犯でも実刑判決が下されていたことが明らかになった。現行法では未成年者を誘拐または誘い出した場合、10年以下の懲役刑が科される。未遂にとどまっても5000万ウォン以下の罰金が規定されている。 大法院(最高裁)の量刑基準は13歳未満を対象とした場合を加重要素としているが、未遂に関する明確な基準は設けられていない。だが裁判所は、実際に未成年者を連れ去るには至らなかった未遂事案でも、被告に実刑を言い渡してきた。 ソウル南部地裁は2022年10月、財布の札束を見せ「一緒に遊ぼう」と小学生3人を自宅に誘おうとした男に懲役10カ月を言い渡した。当時の被害者は8歳、9歳、12歳の女児で、拒絶したことで未遂に終わった。裁判所は「幼い被害者が受けた精神的衝撃は甚大だ」と指摘した。 また水原地裁は2018年、京畿道烏山市のマンション前で8歳の女児に「最高級プールがある自宅に行こう」と誘い、「娘になれ」と発言した男に懲役1年を宣告した。被告は初犯で「酔って支離滅裂な発言をしただけ」と主張したが、裁判所は「未成年者を惑わす言動であり、被害者と家族に深刻な衝撃を与えた」と退けた。 一方、8月28日にはソウル市西大門区の小学校周辺や駐車場付近で児童に車で接近して誘おうとした20代の男3人が逮捕された。その後もソウル市冠岳区、大邱市、済州、全州市で同様の事件が発生している。 専門家は、これまで未遂事件では執行猶予付き判決が多く処罰が軽い傾向にあったと指摘し、児童が被害者であることや発生頻度の増加を踏まえ、より厳しい量刑が必要だと警鐘を鳴らす。 ソ・ヘジン弁護士は「未遂に終わるのは被害者が拒否したり第三者に発覚したりした結果であり、加害者が自発的にやめたわけではない。逮捕者の勾留請求が棄却された例もあり、犯罪を軽く見てしまう危険がある。未遂でも相応の処罰が不可欠だ」と警告した。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News