「性的暴行してみたい」ネットで知り合い離合集散 男3人の歪んだ欲望と卑劣手口

面識のない20代女性に集団で性的暴行を加えたとして、大阪府警に不同意性交致傷容疑などで男3人が逮捕された。事件時に互いの本名すら知らなかった3人の接点は、インターネット掲示板。ゆがんだ性的願望を共通項に連絡を取り合い、事件当日もアルファベット1文字をそれぞれの呼び名としていた。性的暴行のみならず、脅迫目的で被害女性を動画撮影までしていた「魂の殺人」の実態とは-。 ■「同意あった」と否認も 不同意性交致傷容疑などで逮捕されたのは、山下高志(44)▽相馬崇司(33)▽渡辺哲理こと李博倫(リー・ボールン)(23)=中国籍-の3容疑者。いずれも同罪などで起訴されている。 3人は共謀し6月中旬の深夜、女性が集合住宅の部屋に入ろうとしたところ、背後から口をふさいで「静かにしろ、殺されたいんか」と室内に押し込んだ上、刃物のようなものを突き付けながら両手首を縛って性的暴行を加え、女性にけがをさせたなどとされる。 さらに、山下容疑者と李容疑者は、この性的暴行の様子をスマートフォンで動画撮影したとする性的姿態撮影処罰法違反容疑でも追送検された。 調べに対し、相馬容疑者は「(性的暴行を)一度してみたいという欲があった」と供述。李容疑者は「もともと(性的暴行に)興味があった」と述べ、動画も「脅すために撮影して残していた」と認めている。一方、山下容疑者は性的暴行事件について否認し、動画撮影は「女性は同意していたと思った」と一部否認しているという。 ■「暴行」テーマに意気投合 見ず知らずの女性の尊厳を踏みにじる重大事件だが、3人の関係性は希薄だった。捜査関係者によると、3人はネットのアダルト掲示板で「性的暴行に興味がある人」という趣旨のテーマで意気投合。その後はSNSで連絡を取り合った。事件当日も互いに本名は明かさずアルファベット1文字で呼び合い、3人が初めて一堂に会したのも事件を起こす約3時間前だった。 ネット掲示板を巡ってはこれまでも犯罪を誘発する危険性が指摘され、実際に数々の事件の引き金となってきた。ITジャーナリストの三上洋氏は「運営側が特定の性的なキーワードを使用禁止にしても、隠語を使われてしまえば規制は難しい。現状では抑止の方法がない」と話す。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする