イラン情報機関、民間人数百人に「勧誘」の電話 イスラエル警察が警戒を呼び掛け

(CNN) イスラエル警察は27日、イラン情報機関によるとみられる「勧誘電話」を数百人のイスラエル市民が受けたと明らかにした。 警察の発表によると、27日午前、「数百人の市民」に対し、非通知番号からの着信があった。応答すると、イランの組織への勧誘を持ちかけられたという。 イスラエルのニュースサイト「Yネット」には、通話の録音とされる音声が投稿された。録音では、ロボットのような声で「イラン情報機関は有能な工作員を探している」とし、「競争力のある給与と包括的な安全」を提供すると伝えていた。 警察は、こうした電話は「戦時中に市民に不安を与えることを狙ったもの」であり、「イスラエル国内における情報収集やテロ活動を促進する目的で、イランの情報機関が国内外でイスラエル国民を勧誘しようとする試みだ」と指摘した。 イスラエル当局は昨年、イランのスパイ活動の容疑で、前例のない人数のイスラエル国民が逮捕されたと発表した。警察は当時、こうした人々はSNS経由で勧誘された疑いがあると明らかにしていた。イラン側が通信アプリ「テレグラム」を通じて大量のメッセージを送りつけていたという。 イスラエルの対外諜報(ちょうほう)機関モサドの元幹部オデッド・アラム氏は昨年12月、CNNに対し、イランは熟練した工作員を集めるよりも広く網を張ることに関心があると語っていた。「『ここで失敗すれば次に行けばいい』と考えている。結果をあまり気にしていない」 警察の報道官によると、2023年10月のイスラム組織ハマスによる攻撃と、それに続くパレスチナ自治区ガザ地区での戦闘以降、イランに関連するスパイ事件は25件以上捜査され、約46人が逮捕された。 今回の電話を受け、警察は市民に対し警戒を怠らず、異常な出来事があれば当局に通報するよう呼びかけた。

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