海外サイトを使ったアダルトビデオ(AV)の生配信に出演させた女性に契約書などを交付しなかったとして、茨城県警生活環境課と県警水戸署は1日、AV出演被害防止・救済法違反(説明義務、契約書交付義務)の疑いで、動画配信会社「Seconds」(同県かすみがうら市宍倉)の社員と代表取締役の男2人、同社を水戸地検に書類送致した。県警によると、いずれも容疑を認めている。県警が同法違反で摘発するのは初めて。 書類送検された2人は、AV出演の募集をしたとして9月16日に職業安定法違反(有害業務への募集)の疑いで再逮捕された埼玉県川口市、同社員、男(36)と、千葉県我孫子市、同社代表取締役、男(37)=いずれも公然わいせつ容疑で逮捕、処分保留で釈放。 書類送検容疑は2024年6月から25年8月までの間、海外アダルトサイト「ストリップチャット」でわいせつ行為を生配信する際、出演した東京都や群馬県の20代女性ら10人に対し、撮影内容などを記した説明書や契約書を交付しなかった疑い。 2人は今年5月から8月までの間、生配信に出演させる目的で同じ女性ら9人をX(旧ツイッター)で募集したほか、同5月に計4回にわたって社員の男と女性らのわいせつ動画を同サイトで配信し、不特定の視聴者に閲覧させた疑いもある。 社員の男は「山田MAN」のアカウント名で動画を配信し、自ら撮影・出演していた。代表取締役の男は資金管理などを担っていた。茨城県内の女性2人が出演を巡って社員の男とトラブルになり、24年9月に水戸署に相談したことが捜査の端緒となった。 男2人は出演女性に1回当たり10~15万円の報酬を渡し、場所を毎回変えながら関東地方のホテルや会社事務所で撮影を行っていた。23年9月以降、同様の手口で百数十回にわたってわいせつ行為の生配信を繰り返していたといい、視聴料などで計約1億1500万円の売り上げがあったとみられる。