隙間が広がり非常灯が点灯した。だがなかなか食い込むことができない。支持率下落と停滞の沼に落ちた与野党の状況だ。李在明(イ・ジェミョン)大統領の支持率と与野党の支持率とも同時に落ち込む珍現象だ。 2日に発表された10月第1週の全国指標表調査(NBS)によると、与党の下落傾向が目立っている。李大統領の国政運営に対して「うまくやっている」という肯定的評価は57%を記録した。就任後最高値だった8月第1週の65%から8ポイント下落した数値だ。「うまくやっていない」という否定的評価は上昇し34%となった。肯定的評価は6月第2週に53%とさらに低かったが、否定的評価は19%にとどまった。しかしその後否定的評価が上昇し34%まで上がった。これにより肯定と否定の格差は23ポイントに減った。与党「共に民主党」の支持率も8月第1週の44%から10月第1週には41%となった。 韓国ギャラップのこの1カ月の推移も似ている。李大統領は63%から55%に8ポイント、民主党は41%から38%に3ポイント落ち込んだ。民主党支持率は鄭清来(チョン・チョンレ)代表就任後で最低値だ。 ①高まる疲労感、隙間広がる与党=こうした同伴下落に対して専門家らは最近の与党の過度な強攻一辺倒を挙げる。特に三権分立毀損の懸念を呼んだ政府与党の反司法戦線を主要因とみられる。先月11日に李大統領が就任100日記者会見で内乱専従裁判所設置に「それがなぜ違憲なのか」と力を与えてから民主党は司法圧迫を加速した。事実上根拠のない「曺喜大(チョ・ヒデ)・韓悳洙(ハン・ドクス)会合説」を政局の真ん中に登場させ、秋美愛(チュ・ミエ)法制司法委員長を筆頭とした民主党の法制司法委員が曺喜大大法院長の聴聞会を奇襲的に上程し単独で議決した。 ポリコムのパク・ドンウォン代表は「与野党とも中道層に訴えていないが、民生を逃したため。特に与党は米国との関税交渉に対する失望、無理な特検、政府与党間の対立激化でなかなか政権序盤の支持を回復できずにいる」とみた。 実際に韓国ギャラップの9月第4週の調査で「12・3非常戒厳事態と内乱疑惑を現裁判所が継続して引き受けなければならない」という回答が41%、「内乱専従裁判所を設置しなければならない」という回答が38%だった。支持率が低くなったとはいえ与党が依然として圧倒的な世論地形ということを考慮すれば少なくとも司法府議論に対する民心は与党のフレームが通じるものではないということと解釈できる。さらに李大統領への否定評価の原因に「曺大法院長辞任圧力と司法府揺さぶり」が5%で初めて登場した。 与党内でも懸念が出始めた。親李大統領系グループの元祖といえる「7人会」のメンバーである金栄鎮(キム・ヨンジン)議員が3日のラジオインタビューで「(いまの法制司法委員会は)とても消耗的で国民の目には適切な運営ではない。民主党指導部と曺大法院長の聴聞会を進めた法制司法委員長と多くの人たちは(支持率下落を)悩む必要がある」と指摘した。金議員は先月25日にも秋委員長ら強硬派が推進した曺大法院長聴聞会を「急発進」と批判した。与党の重鎮である柳寅泰(ユ・インテ)元国会事務総長も2日のラジオで「民主党指導部が心配なのが、とても激しくことを進める人たちが党代表や法制司法委員長を受け持っていること」と直撃した。政界では国政監査出席要求を受け入れたキム・ヒョンジ大統領室第1付属室長の人事異動、警察の李真淑(イ・ジンスク)元放送通信委員長の電撃逮捕も中道層に良くない影響を与えるという分析が出ている。 ②拡張力不在、隙間に食い込めない野党=政府・与党の支持率がともに下落しているが野党「国民の力」は利益を得られずにいる。NBSの調査で「国民の力」支持率は22%で、直前の調査時と同じだった。韓国ギャラップの調査でも24%にとどまっている。「国民の力」の新人議員は「政府・与党の明白な失策を受け止められなかったということではないのか。代案政党と認められないという深刻な信号」と懸念する。 「国民の力」の立場で痛いのは中道層の民心だ。「国民の力」の中道層支持率は9月第1週の調査で18%を記録した後、与党の司法圧迫議論がふくらむなど野党圏に反騰の機会があったのに5ポイント下落した。 「国民の力」の主流派は、支持層をつかんで支持率を引き上げた後に中道層をつかまえるという腹案だった。この期間に張東赫(チャン・ドンヒョク)代表が大邱(テグ)・ソウルで場外闘争に出た理由だ。だが支持層を十分にとらえてもいないのに、1人でも逃したくない中道層は逃した格好だ。嶺南(ヨンナム)地域の議員は「与党の苦戦にもわが党の支持率が1カ月間24%で停滞したのは強硬派糾合効果がすでに限界にきたという意味」と話した。党指導部が東大邱駅集会の際に使った「野党弾圧独裁政治糾弾大会」のスローガンを1週間後のソウル市庁駅での集会で「司法破壊立法独裁糾弾大会」に変えたが通じなかったのだ。政治評論家のパク・サンビョン氏は「与党の支持撤回が最大野党に行かないことが特異な現象だが、すでに「国民の力」を与党に敵対する野党と見ていないという意味。熱烈支持層結集も限界に至ったもの」と分析した。