ロシアのプーチン大統領は8日夜、中央アジアのタジキスタンに到着した。 首都ドゥシャンベの空港でラフモン大統領の出迎えを受けた。国際刑事裁判所(ICC)は戦争犯罪の疑いでプーチン氏に逮捕状を出したが、タジクはICC加盟国ながらロシアとの友好関係を優先し、拘束義務を果たさなかった。 プーチン氏がICC加盟国を訪れたのは、昨年9月のモンゴルに次いで2例目。ロシアはICCの影響力を低下させようと友好国に働き掛け、成果を上げている格好だ。 タジクは経済的にロシアに依存しているが、ラフモン氏は2022年に開かれた第1回ロシア・中央アジア5カ国首脳会議で「小さな民族だが、歴史も文化もある」「われわれは物乞いではない」とプーチン氏に見下さないよう注文を付けた。プーチン氏は8日夜のドゥシャンベ到着後、ソ連崩壊後の「民族復興」を記念する施設で献花し、タジクを尊重する姿勢をアピールした。 ロシアと5カ国は9日にこの第2回首脳会議を開催。中央アジアはロシアの勢力圏だったが、巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げる中国の影響力が強まりつつある。ウクライナ侵攻で求心力が低下するプーチン氏にとって、旧ソ連圏のつなぎ留めは急務とされる。 タジク訪問は3日間で、最終日の10日はベラルーシなどを加えた独立国家共同体(CIS)首脳会議に臨む。