メンズエステ名義貸し横行 アパートの部屋、犯罪悪用させぬ 20日、県警と不動産業界協定

●暴力団などの「しのぎ」の可能性 富山県内のアパートなどの部屋を使ったメンズエステ店(メンエス)を巡り、賃貸契約を結ぶ際に名義貸しが横行しているとみられることが16日、関係者への取材で分かった。表向きは健全なマッサージ店などとうたっていても、裏で性的サービスを提供しているケースがあり、県警は今年に入ってメンエスに絡む事件を相次いで摘発。不動産業界にも協力を要請し、協定を結んでアパートなどが犯罪に利用されにくい環境づくりを進める。 閑静な住宅街にあるマンションの一室に深夜も複数人が出入りする。15日に富山中央署が風営法違反(禁止区域営業)の疑いで摘発したメンエスでは、マッサージ嬢が男性客に性的なサービスを行った疑いが持たれている。捜査関係者によると、アパートは住居用と偽って借りられていた可能性がある。 県警は5月にも、富山市内のアパートにあるメンエスで、性的サービスを提供したとして風営法違反容疑で富大准教授らを逮捕。7月にも市内の別のメンエス店2店舗が絡む事件を摘発し、この店舗でも、性的サービスが提供されていたとみられている。 県警が違法メンエスの取り締まりを強化する背景について、捜査関係者は「メンエスを隠れみのにし、実態は風俗店という店も多い。売り上げが暴力団などの『しのぎ』になっている可能性もある」と指摘する。 犯罪に利用される不動産が後を絶たないことを受け、県警は県宅地建物取引業協会、全日本不動産協会県本部に協力を要請し、20日に協定を結び、連携して賃貸物件の犯罪利用を抑止する。県警は「協定を基にし、違法行為が確認された際に退去を求めやすい環境を作っていきたい」(生活安全企画課)としている。 ★メンズエステ店 男性を対象としたリラクセーションマッサージ店など。中には風営法の届出をせずに性的サービスを行う店舗もある。政府は今年6月施行の改正風営法で、無許可営業の運営法人に対する罰金の上限を200万円から3億円に引き上げるなど、違法メンエスなどに関わる罰則を大幅に強化し、規制を強めている。

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