死亡した韓国人大学生をカンボジアに送り込んだ主犯が逮捕

カンボジアで死亡した韓国人大学生を現地に送り込んだ疑いがもたれている韓国内の大砲通帳(他人名義の通帳)募集組織の主犯が拘束された。 大邱(テグ)地方裁判所安東(アンドン)支院は10月19日午後、この大砲通帳募集組織の主犯A(20代)に対する拘束前被疑者尋問で「逃亡のおそれがある」として拘束令状を発行した。Aは、7月に大砲通帳仲介役のホン氏(20代、拘束起訴)から大学の後輩であるパクさん〔慶尚北道醴泉(キョンサンプクド・イェチョン)出身、22〕を紹介され、パクさん名義で口座を開設させたうえでカンボジアへ出国させた疑い(電気通信金融詐欺被害防止および被害金還付に関する特別法違反など)を受けている。パクさんは出国から3週間後の8月8日、カンボジアのカンポット・ボコール山付近に駐車された車の中で死亡しているのが見つかった。遺体の全身に打撲傷があった。 警察は、国内にいるAの組織がパクさん名義の口座に入金された犯罪収益金を引き出した形跡を把握しており、捜査を進めている。資金が消えたことに気づいたカンボジア現地の組織員らが、パクさんを拷問して金を取り戻そうとした末に殺害したものとみている。 警察は先月初めにホン氏を検挙した後、パクさん名義の口座の資金の流れや通信記録などを追跡し、16日に仁川(インチョン)でAを逮捕した。Aとホン氏はいずれも国内在住で、点組織(互いのつながりが希薄な分散組織)形態で犯行を行っていたことが分かった。警察は、これら個別の点組織を束ねる上部組織の存在や、大砲通帳募集だけでなく人員も勧誘して犯罪団地に送り込んでいた可能性などについても捜査を進める方針だ。 一方、パクさんの司法解剖のため、国立科学捜査研究院の法医学者および担当捜査官ら7人が19日に出国した。解剖は20日午前9時(現地時間)、プノンペンのWat Toek Thlaでカンボジア捜査当局と共同で実施される予定だ。警察は、解剖が終了し次第、火葬手続きを経て遺骨を韓国に送還する計画だ。

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