安倍晋三元首相銃撃事件では山上徹也被告を巡り、幼少期に母親が旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)に入信し多額の献金をしたことで「生活が破綻した」という生い立ちが注目された。近年も教団の献金被害が続いていることや、政治家が教団側から選挙協力を受けていることなどが問題視され、教団を取り巻く環境は一変している。 「信者らによる献金勧誘行為で類例のない膨大な規模の被害が生じた」 東京地裁は今年3月、昭和の終わり頃から社会問題化した教団による献金被害について、こう指摘した。その上で教団が法令順守徹底を宣言した平成21年以降も「なお看過できない程度の規模の被害が生じている」として、宗教法人法に基づき教団の解散を命じる決定を出した。民法の不法行為を根拠に解散命令を決めたのは初めてで、教団側は即時抗告。東京高裁で審理が続いている。 令和4年12月には不当寄付勧誘防止法が成立。「霊感」で不安をあおる不当な寄付勧誘行為や、生活に不可欠な資産を処分してまで行う過度の献金を要求する行為を禁止した。 献金被害が改めてクローズアップされる一方、教団の友好団体などが保守系政治家らを選挙などで支援していることも問題視された。また教団本部がある韓国では、尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領の妻、金建希(キムゴンヒ)氏の不正疑惑を巡000800る捜査の過程で、教団関係者が尹氏側近の国会議員に不正な政治資金1億ウォン(約1070万円)を渡したとする疑惑が浮上。特別検察官が今年10月、教団トップの韓鶴子(ハンハクチャ)総裁を起訴した。