パレスチナ系米国人の16歳少年、イスラエルで長期間勾留 暴行で自白強要と訴え

エルサレム(CNN) パレスチナ系米国人の16歳の少年が、裁判が終わらないままイスラエルの刑務所に8カ月以上も収容されている。米議員らは釈放要求の圧力を強めているが、釈放は早くても11月9日以降になる見通しだ。 フロリダ州パームベイ出身のパレスチナ系米国人モハメド・イブラヒムさん(16)は、イスラエルが占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸で、イスラエル人入植者に石を投げたとして今年2月、イスラエル軍に逮捕された。弁護士に対してイブラヒムさんは、暴行を受けた上にもっと暴行すると脅されて怖くなり、犯行を自白したと訴えている。 今月29日の審理でも、モハメドさんの釈放は認められなかった。次回審理は11月9日に予定されている。 父のザヘル・イブラヒムさんは「まさに地獄だ」「まさかこんなことが8カ月も続くなんて思わなかった」とCNNに語った。 米当局者からは、モハメドさんの釈放に向けた交渉が行われているとの説明があったが、まだ実現はしていない。家族は29日の審理後に釈放されると期待していた。 米国務省報道官は「イブラヒムさんの件については国務省が緊密に追跡しており、イスラエル政府と協力している」「大使と在エルサレム大使館の職員が現在も今後も深く関与している」とCNNに説明した。 米政府の介入は、今年夏、いとこの米国人サイード・ムサレットさん(20)がイスラエル人入植者に暴行されて死亡した事件がきっかけだった。モハメドさんの父のザヘルさんは、米国のマイク・ハッカビー駐イスラエル大使がヨルダン川西岸でムサレットさんの父親を訪問した際に、息子の事件のことを訴えた。 しかし米政府が働きかけを強めるまでには数カ月かかったという。「メディアや議員の圧力がなければ、ほとんど相手にしてもらえなかっただろう」とザヘルさんは話している。

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