『絶対零度』沢口靖子がショッキングかつ体当たりな演技 奈美がDICTへ選出されたワケ

沢口靖子が主演を務める月9ドラマ『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』(フジテレビ系)第5話は、二宮奈美(沢口靖子)が拉致監禁されるという衝撃的な展開を迎える。 今回のシーズン5では、これまでのシリーズで見たことのない『絶対零度』、そして沢口靖子を見せようという気概が溢れている。ほとんどの回でインサートされているランニングシーンがその最たる例と言えるが、今回は犯人(和田聰宏)に手足をロープで縛られ、地面に倒されて首を絞められ、足の骨を折られるという思わず目を逸らしてしまうようなショッキングなシーンが続いていく。 疲弊し、虚ろな表情を浮かべる奈美だったが、犯人の挙動から過去に奈美が逮捕した犯人であることをプロファイリングしていく。奈美の洞察力と記憶力に驚くが、これが吹き替え無しの全て沢口自身が演じ切っているというのだから、まさに体当たりな演技ということになる。 犯人の駒場は、過去に妹を殺されたという逆恨みから奈美を拉致するが、駒場の生きがいは頼られることで優越感に浸ることであり、妹はそのために飼っていただけにすぎなかった。まるで餌を与えるかのように、奈美にご飯を食べさせる駒場の姿に、歪んだ執着が見えてくる。 第5話を繋ぐテーマは「生きがい」。11年前、都議会議員だった桐谷杏子(板谷由夏)をナイフを持った男の襲撃から身を守ったのが、警備にあたっていた奈美だった。ストーカーに狙われながらも遊説を敢行する桐谷に、奈美は立場を気にせず進言していく。「あなたが見ているのは自分だけ。目の前にいる人のことも考えられずに何が政治家ですか」と。そのことがきっかけで、奈美はDICTへ特別に選出された。佐生(安田顕)が立ち上げたDICTに、奈美を勧めたのは杏子だったのだ。 拉致から解放され入院する奈美に、総理となった杏子が面会にやってくる。杏子が奈美をDICTに推薦したのは、情報犯罪だろうと、その裏側には血の通った生身の人間がいる、そのことを奈美々ら常に念頭に置いて捜査してくれる、そう杏子は思ったのだ。それは11年前、「目の前にいる人たちの普通の毎日を守ること。それが私の生きがいです」と話す奈美の言葉がきっかけにあった。 駒場を裏で操り、DICTを嘲笑うかのように颯爽と姿を消したトクリュウ。奈美は今回の事件を通して、むしろ自分たちの存在を示そうとしているトクリュウに、近い将来何か大きな事件を起こそうとしているのではないかという悪い予感を抱いていた。真の狙いは、国家を脅かす情報テロ。一方、国外では総理の娘・カナ(白本彩奈)を乗せたワンボックスカーが古い修道院へと辿り着いていた。そこは第1話冒頭で、杏子と奈美が潜入し、爆発が起きた現場だ。

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