新潮社出版部執行役員の中瀬ゆかり氏が13日、TOKYO MX「5時に夢中!」(月~金曜午後5時)に生出演。1999年に名古屋市西区のアパートで主婦高羽奈美子さん=当時(32)=が殺害された事件について私見を述べた。 殺人の疑いで逮捕された安福久美子容疑者(69)が奈美子さんの夫悟さん(69)の大学時代、所属していた部の活動場所に押しかけていたことが5日、悟さんへの取材で判明。悟さんは当時、容疑者から好意を寄せられていたといい、愛知県警西署捜査本部は事件に至る経緯や動機を調べている。 中瀬氏は「人間って自分の全く知らないところ、想像も及ばないところに、他の人から執着されるってことがあるじゃないですか。このケースもまさにそうだと思うんですよ」と切り出した。 「だって悟さんは、存在すらもね、同窓会で久しぶりに会ったから『ああ』っていう感じだったと思うけど、ほとんど思い出すこともないような。まあ過去、自分のことをちょっと好きだった人だっていう認識はあっても、それ以上でも以下でもない。もう本当に普段、完全に忘れてるような存在の女性から、そんなに自分が執着されてるなんて、想像もしてなかったからこそ、ここまで思いも当たらなかったんで、その名前を出すこともなく来てしまったわけじゃないですか」と推察した。 「だからその、人間の執着の恐ろしさっていうのに、まあそれを考えましたね。それがだって、どこでどう間違って転がって、奥さまをあやめるみたいなところまでいくのか。まさか高校の時に自分に告白した人が、自分の妻をそののちに殺すことになるなんて、誰だって想像しないですよ」と語った。 そして「何か自分に心当たりがあるようなことあれば思いつかもしれないけど、全くないわけですから」と語った上で「もう防ぎようがない。でも、防ぎようがないんだけど、人は誰かに執着されるってこれが本当に恐ろしいことだなっていうことを改めて思いました」と語った。 悟さんによると、大学の部活動の練習終了後に容疑者が連絡なく待っていたことがあり「待たれるのは困る」との趣旨を伝えた。大学を卒業した後に再会したのは、事件5カ月前に開かれた高校の部活動の同窓会だったとみられる。 捜査本部によると、99年11月13日午後、アパートの大家が、首を数カ所刺され廊下に倒れている奈美子さんを発見した。容疑者と奈美子さんとの直接の接点は確認されていない。 また、捜査関係者によると、安福容疑者は逮捕直後は容疑を認めていたが、その後の取り調べは拒否しているという。事件後、近所付き合いをあまりせず、主に市内で生活していたことも分かった。