広島市西区中広町の集合住宅の一室で10月、住人でベトナム国籍のアルバイトの女性=当時(32)=が殺害された事件で、広島地検は14日、強盗殺人と住居侵入容疑で逮捕、送検された同市佐伯区、ベトナム国籍の技能実習生の女(32)を殺人と住居侵入の罪に切り替えて起訴した。 地検は強盗殺人罪を適用しなかった理由について、収集できた証拠を踏まえ「事実認定できなかった」と説明した。 起訴状などによると、被告は10月15日午前8時45分ごろから9時50分ごろまでの間、女性方に玄関から侵入し、殺意を持って女性の頭部などを硬い物で多数回殴り、頭部の骨折などによる出血性ショックで死亡させて殺害した疑い。地検は認否を明らかにしていない。 女性はベトナム国籍の30代の夫と2人暮らし。事件は15日午後6時20分ごろ、帰宅した夫が遺体を発見し近くの交番に届け出て発覚した。広島県警の捜査本部によると、室内は物色された形跡があったという。 捜査本部は現場周辺の防犯カメラ映像をつなぎ合わせる「リレー捜査」などから被告を特定。発生10日後の25日に逮捕した。