トランプ氏、エプスタイン文書公開法に署名…「パンドラの箱」ついに開く

ドナルド・トランプ米国大統領が19日(現地時間)、政界を揺るがす「導火線」になる可能性があると評価されてきた「エプスタイン文書」を公開する法案に署名した。前日、連邦下院が427対1の圧倒的賛成で可決したのに続き、上院が全会一致で法案を通過させてからわずか一日後のことだった。CNNは「(トランプ氏の)政治的敗北であり、レームダックに近づいたというシグナルだ」とした。 トランプ大統領はこの日、エプスタイン文書公開法案に署名した後、ソーシャルメディア(SNS)に「2019年にトランプ政権下の法務省に起訴されたエプスタイン氏は、生涯を通じて民主党員であり、民主党の政治家らに数千ドルを寄付していた」とし、「民主党関係者とエプスタイン氏の関連性に関する真実がまもなく明らかになる」と投稿した。ビル・クリントン元大統領、ローレンス・サマーズ元財務長官、政治活動家リード・ホフマン氏、ハキーム・ジェフリーズ民主党下院院内総務、ステイシー・プラスケット民主党議員など、民主党関係者の実名を挙げながら「彼らはエプスタイン氏と深い関連があった」と主張した。トランプ大統領の法案署名により、法務省は30日以内にエプスタイン氏に関連する「すべての機密記録、文書、通信および捜査資料」を公開しなければならない。 ヘッジファンド・マネジャー出身の億万長者、エプスタイン氏は、自宅や別荘などで、未成年者数十人を含む女性を対象に性犯罪を行ったとの疑いを受けていた。彼は性犯罪容疑で逮捕された後、収監中の2019年に自ら命を絶った。彼から性接待を受けた有力者のリストが存在するという話や、遺体の死因が自殺ではなく、核爆弾級のリストなどを隠蔽するために行われた他殺だという陰謀論まで提起されてきた。トランプ大統領は2000年代初めまで、エプスタイン氏と公然と行動を共にしていた。性犯罪に関与したのではないかという疑惑を受けたが、トランプ大統領は2004年頃にエプスタイン氏と決別し、不適切な行動もなかったと反論してきた。 しかし先週、民主党が公開したエプスタイン氏のメールで、エプスタイン氏がトランプ大統領を「吠えない犬」と称し、「○○○(被害者)が彼(トランプ)とともに私の家で数時間を過ごしたが、一度も言及されたことがない」と述べていた事実が明らかになった。 1年後に中間選挙を控えた共和党議員たちは、エプスタイン文書に大きく動揺した。核心的なMAGA(Make America Great Again)派とされたマージョリー・テイラー・グリーン下院議員でさえ、トランプ大統領から背を向け、文書公開を求める請願に同調した。トランプ大統領は文書公開に消極的だったが、議会の採決で党内の離反票を防げない状況になると、「文書公開に賛成票を投じよ」と方針を転換した。トランプ大統領はエプスタイン文書が公開されれば「民主党に逆風が吹くだろう」と主張している。 共和党の支持率は、およそ3年ぶりに民主党に逆転された。NPR・PBSがこの日公開した世論調査で、「今選挙が行われればどこに投票するか」という質問に、55%が民主党を挙げた。共和党に投票するという回答は41%にとどまった。トランプ大統領に対する支持率も39%で、2021年1月6日の議会襲撃事件以降で最低値を記録した。

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