バカリズムが朝ドラ脚本「なんやかんやで、最終的に日常を描こうと」生活安全課の女性警察官描く

NHKは21日、都内の同局で会見を行い、27年度前期連続テレビ小説のタイトルが「巡(まわ)るスワン」に決まり、ヒロインを森田望智(もりた・みさと=29)が務めると発表した。生活安全課に勤める女性警察官の日常を描く。脚本はお笑い芸人のバカリズム(49)が担当。実在のモデルなどはいない完全オリジナル作品となる。 ◇ ◇ ◇ バカリズムはNHKドラマ初執筆となる。警察でも刑事課ではなく、ほぼテレビドラマに登場しない生活安全課を舞台に選んだ。「警察署の中で唯一、事件を未然に防ぐ部署。事件が起こりづらいというか、起こらないことが成果なので、なかなかドラマにされたことがない。そこに非常に魅力を感じました」と題材の決め手を明かした。 主演の森田とは、この日初めて対面した。「圧倒的に才能がある。いろんな作品で別人かのように演じ分けをされる方ですし、きっと素晴らしい作品にしてくださる。自分の作風とすごく相性がいいんじゃないかと勝手に思ったところもあります」と印象を語った。 「芸人が朝ドラの脚本を書くという現象がおもしろい」とオファーを快諾し、ドラマの設定案を「山ほど出した」という。ファンタジーものも考えたが「10話とかならとっぴな発想でやれるんですけど、半年となると初めての経験。なんやかんやで、最終的に日常を描こうと着地しました」。 執筆は年明けから始める予定。「気を付けたいのは締めきり厳守です。本が遅れる現場の脚本家はすごい悪口言われたりするんですよ」と笑わせ、「ただただ毎朝ちょっと笑って1日を始められるような作品になればいい」と意気込んだ。【鎌田良美】 ◆27年度前期連続テレビ小説「巡るスワン」 第116作の連続テレビ小説。長野県の諏訪湖周辺をイメージした架空の街・佐和市が舞台。タイトルの「巡る」は「お巡りさん」から、「スワン」は諏訪湖にある大きな白鳥の形をした遊覧船から取った。刑事ドラマを見て「自分も犯人を逮捕してみたい」と警察官を志した主人公は、事件が起こらないことが使命とされる生活安全課に配属される。防犯のため自作の演劇を披露したり、市民からの相談に乗ったり。地味な仕事に不満を感じつつもまじめに働き、やがて地域に信頼される存在になっていく。佐和署の生活安全課長となった主人公は、佐和湖に浮かぶ白鳥号を見つめながら思う。「今日も何も起こらなかったな」。どこにでもある日常を過ごす主人公が“何も起こらない日常を守る”道を見つけるまでのヒューマンコメディー。

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