香港火災発生から1週間、真相解明は依然見通せず 市民からは「正義」を求める声

香港当局は3日、発生後1週間となった高層住宅群の大規模火災による死者が159人となり、依然31人が行方不明と明らかにした。 死者159人のうち140人の身元を確認、女性が91人、男性49人で、年齢は1歳から97歳という。 火災が起きた7棟全てで内部の捜索が完了したとし、今後は燃えた建物の資材下に隠れている遺体の捜索を続けるとしている。 香港で先週発生した高層住宅街の火災で3日、一部の住民が一時帰宅を許され、身の回り品を取りに帰った。スーツケースや空のバッグを手にした住民らは、延焼を免れた唯一の棟に当局者に連れられて、1時間半ほどで荷物をまとめた。 ほかの7棟は40時間にわたる火災で焼け、当局による現場検証が続いている。住民がいつ立ち入れるかについて当局は明らかにしていない。 当局によれば住民2600人が仮住まいに移った。そのうち1000人以上が宿泊施設に滞在している。さらに1600人以上が移行住宅へ移った。 一方、現場近くでは花や供え物を持って訪れる市民が後を絶たない。また警察による犠牲者の身元確認が続いている。多数の死者に加えて依然として多くが行方不明で、最も被害が大きい区域の遺体収容には数週間を要するとみられる。 市民 「これは誰も望まなかった大惨事であり、本来であれば、規則や規制が厳格に実施されていれば防げたものだと言える。(中略)最優先は正義だ。交渉の余地はない。被害者のための正義、その本当の正義が必要だ。そして香港の市民全体が、真実と正義が明らかになることを望んでいると思う」 警察は過失致死の疑いで関係者20人以上を逮捕したほか、汚職対策機関も捜査を進めている。 火災を逃れた住民たちは、いま自らの生活を立て直さなければならない。しかし、圧倒的な喪失感は無力感へと変わりつつある。 市民 「亡くなった方々が安らかに眠れるよう願っている。生きている人たちには、どうか勇気を持ってすべてに向き合ってほしい。生者には祝福を、亡くなった方々には安らかな旅路を祈りたい。すべては四文字で言い表せる──筆舌に尽くしがたい悲劇だ」

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