現金回収役に1人数万円の報酬 実行役より重用か 首都圏連続強盗

首都圏で18件相次いだ「闇バイト」による強盗事件で、襲撃で奪ったとされる現金の回収役に1人当たり数万円の報酬が渡っていたことが、捜査関係者への取材で判明した。襲撃の実行役は報酬をほとんど得ておらず、強盗グループを主導した指示役らは、襲撃で得た金品を確実に手元に届けさせるために回収役を重視していた可能性がある。警視庁などの合同捜査本部は、こうした組織作りが、短期間で事件が相次いだ背景にあったとみて追及する。 千葉県市川市で2024年10月17日にあった事件では、指示役として福地紘人(ひろと)容疑者(26)ら4人が強盗傷害と住居侵入容疑で逮捕された。一連の事件での逮捕者は、これで55人になったが、このうち男女10人が奪った金品の回収役だったとされている。 捜査関係者によると、襲撃の実行役は、被害者から奪った現金などを公園の公衆トイレや植え込みに置くよう指示役から命令されていた。互いに顔を合わせずに受け渡すための仕組みで、10人はこれらを回収して次の拠点に届けていた。 場所や手順は、指示役が決定。回収役のうちの一人の男性(22)は、東京・赤坂のマンションや東京都目黒区の水たばこを提供する「シーシャバー」近くで福地容疑者に渡したとみられる。こうした回収役たちは、届ける現金から、自分の報酬として数万円を抜き取ることを、指示役から認められていたという。 一方、運転役を含め襲撃を担って逮捕された38人は、闇バイトとして集められた若者が大半で、数人を除いて約束された報酬は支払われなかった。捜査本部は、指示役が、実行役は捕まることを前提に「使い捨て」にしていた一方、回収役は重用していた可能性があるとみている。【菅健吾、朝比奈由佳、松本ゆう雅】

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