前川彰司さん、福井地裁に裁判費用の補償請求 福井の中3殺害事件で再審無罪

1986年に福井県福井市で中学3年の女子生徒が殺害された事件で再審無罪が確定した前川彰司さん(60)が12月9日、刑事訴訟法に基づく裁判費用の補償を福井地裁に請求した。 前川さんによると、87年に逮捕されて以降の裁判でかかった弁護士の報酬や旅費などが補償の対象になるという。今後、地裁が相当額を算定する。 前川さんは取材に対し「前向きに生きていこうとしているが、いまだに冤罪(えんざい)事件には強い憤りを感じている。(身体拘束に対する)刑事補償請求も進めていく」と話した。 前川さんは事件の翌87年に逮捕された。90年の一審・福井地裁は無罪判決を言い渡したが、95年の二審・名古屋高裁金沢支部は懲役7年の逆転有罪判決を下し、最高裁も支持して確定した。服役後の第2次再審請求審で高裁金沢支部は2024年10月、再審開始を決定。今年3月に再審初公判が開かれ、7月に無罪とする判決を言い渡した。検察側は上告せず、前川さんの再審無罪が確定した。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする