「親分の遺産は誰のもの?」住吉会会長らが死亡した先代の金銭窃盗容疑で逮捕!

構成員数で国内第二の暴力団である住吉会の会長が、先代会長が死亡した当日に、先代の自宅から5000万円を盗んだとして逮捕されるという異例の頂上作戦が行われた。事件の背景には、「親分の遺産」を巡る法とヤクザの解釈との乖離が垣間見える。 【死亡当日に5000万円を窃盗】 千葉県警は12月6日、窃盗や証人威迫などの疑いで、住吉会の小川修司会長ら7人を逮捕した。小川会長らは、住吉会の関功前会長が死去した2022年5月31日の夜から翌朝にかけて、関前会長の自宅に侵入し、現金5千万円を盗んだとされる。 また、2023年10月に、5000万円の持ち出しについて警察に被害届を出していた関前会長側の関係者の女性に対し、現金2千万円を受け取らせる代わりに、被害届を撤回させようとした疑いがもたれている。 関前会長と小川会長はいずれも、住吉会の2次団体で千葉県内に本拠を置く共和一家の出身。小川会長が2021年に住吉会会長に就任する際には、関前会長の推挙があったとされる。同じ母体からともに住吉会会長にまで上り詰め、深く長い仲であったはずの小川会長と関前会長サイドとの間で勃発した遺産トラブルについて実話誌記者が解説する。 「5000万円の持ち出しを巡っては、当初から小川会長を糾弾する怪文書が流布しています。怪文書では、関前会長が死亡した当日夜に行われた通夜の場で、小川会長が共和一家の幹部らに、『関前会長の遺産は住吉会の資産であり、遺族がもらうのはおかしい』と主張し、ただちに自宅にあった5000万円や美術品などの回収を命じたと記載されていました。 自宅に同居の親族は通夜で出払っているし、金銭を持ち出した幹部は関前会長の身の回りの世話をしていた最側近なので、金庫をやすやすと開けられたそうです。小川会長としては、こうした遺産はこれまで関前会長に上納してきた金銭なのだから相続するのは当然だという認識だったのでしょう。ただ、怪文書では持ち出した5000万円のうち小川会長が3000万円を受け取り、残りは幹部らに分け与えたとされ、これが事実なら、組織として相続したと言えるのかという嫌疑がかかるので、警察は5000万円の位置づけやその使途を追及することになるでしょう」(実話誌記者) この5000万円を組織の財産とみなせるかは解釈の問題になりそうだ。暴力団事情に詳しいA氏が語る。 「関前会長は当代だった際、組員の特殊詐欺事件の被害者から使用者責任による賠償訴訟を複数件起こされたため、全財産を親族らに生前贈与で分配していて、名目上は資産がない状況で、今回の5000万円も親族の財産だった可能性が高い。原資は組員からの上納金だったとしても、親族の保有資産であれば窃盗になりかねない。現に、被害届の時点では横領容疑だったが、逮捕罪名は窃盗だったので、警察は親族の金銭だったとみているのでしょう」(A氏) 【親分の負債は子分に返済義務?】

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