家宅捜索中に捜査対象者の男性に暴行を加えるなどしたとして、大阪府警捜査4課の警察官2人が逮捕・起訴された事件で、同課所属の別の4人の警察官も捜査対象者に暴行を加えたとして、特別公務員暴行陵虐罪で在宅起訴されていたことが、捜査関係者への取材でわかった。 事件は7月15日、国内最大規模のスカウトグループ「ナチュラル」をめぐる職業安定法違反容疑事件の捜査で、大阪市西区にあるビルの一室を捜索中に起きた。 府警は8月、当時現場にいた捜査対象者の20代男性に暴行を加えたとして、同課に所属する警部補の時長力被告(51)と、巡査部長の阪口裕介被告(33)を特別公務員暴行陵虐容疑で逮捕した。大阪地検が両被告を起訴した。 2人はそれぞれ別の男性にも暴行したとして追起訴され、現在公判中だ。 捜査関係者によると、現場には当時約20人の捜査員がおり、その後の捜査で、新たに現場にいた4人の同課員が暴行に関与した疑いが浮上した。府警は4人を書類送検し、4人は今月、在宅起訴されたという。 時長、阪口両被告の公判で検察側は、差し押さえたスマートフォンに設定されたパスコードを教えるよう捜査対象者の男性を説得したが、男性が応じず、立腹して暴行を加えたなどと指摘した。 現場責任者だった時長被告についても、男性らが「非協力な態度をとり続けた」ため、男性を押し倒すなどしたと説明した。 捜査員の違法行為によって、スカウトグループの実態解明に向けた捜査は中断された。