「個人的にはプチ希望なんですが、制服、体操服、半袖短パン持参。行為中の撮影ありでお願いしたくて」 SNSでパパ活相手の少女を探していた新潟県の中学校教師は、女子高生Aさん(当時15歳)に、こうメッセージを送ったという。プチとは、性交はしないという意味だそうだ。 「’25年10月15日、埼玉県大宮西署は、不同意性交等などの疑いで、新潟県の公立中学校に勤務する中村岳被告(36)を逮捕しました。中村被告は今年6月にAさんに現金を渡す約束をして性的な行為をし、その様子を撮影した疑いがもたれています。さらに昨年8月に女子中学生Bさん(当時13歳)にも同様の犯行に及んだとして、不同意性交等などの疑いで11月4日に再逮捕されています」(全国紙社会部記者) 事件は’23年8月に大宮西署に埼玉県内に住む、別の10代女性の母親からの『娘が知らない人に会ってお金をもらっている』との相談がきっかけだった。 「捜査を進めるなかで中村被告が浮上。家宅捜索をしたところ、中村被告のスマホから複数の少女の性的な画像や動画が見つかったことから事件が発覚しました。警察は中村被告のスマホに保存されていた画像などを解析して、被害者を特定。9月25日に神奈川県内の女子中学生Cさんへの不同意性交等などの罪で逮捕・起訴しました。その後、Aさん、Bさんの件での逮捕となったのです。 中村被告は『間違いありません。仕事上のストレスがありました』と容疑を認めているということです」(同前) 12月22日にさいたま地裁で中村被告の初公判が開かれた。この裁判で中村被告は、AさんとBさんに対する不同意性交等や性的姿態等撮影、児童ポルノ禁止法違反。さらにAさんに対する、16歳未満の者に対する面会要求と、4つの罪に問われている。 ◆「会ってくれるならたくさん支援しますよ」 中村被告は大学院を修了後、公立中学校の教師として勤務していた。そして、’23年ごろからSNSを介して知り合った女子中学生や女子高生に金銭を渡す約束をして性的な行為に及ぶ、いわゆるパパ活を行うようになったという。 検察官が読み上げた起訴状や冒頭陳述などから明らかになったのは、少女を金銭で誘惑して性的な行為を要求する、中村被告の卑劣な犯行だった。 「被告人は、SNSを通じていわゆるパパ活の相手を探すなかでAさんと知り合い、インスタグラムのダイレクトメッセージ機能を用いて、メッセージのやり取りをするようになりました。被告人は6月9日から15日までの間に、Aさんに対して『会いたいです。4.5でいいですかね』などとメッセージを送り、金銭交付の対価として面会するよう要求し、4万5000円を渡す代わりに性的な行為をする約束を取り付けました。 そして6月15日に都内の駅で待ち合わせをした後、付近のホテルで性的な行為に及び、スマホで動画や写真を撮影しました」 「被告人は、SNSを通じてBさんと知り合い、金銭を交付する代わりに性的な行為をしたいと申し入れ、Bさんと会う約束をしました。そして昨年の8月22日に都内のホテルでBさんと性的な行為に及び、スマホで動画や写真を撮影しました」 中学校教師の中村被告は、もっぱら自宅などで女子中高生と思われるSNSのアカウントを漁り、連絡を取ろうとしていたようだ。 取り調べでAさんは、中村被告から連絡が来たときのことをこのように振り返っている。 「今年の3月ごろ、私のインスタグラムのアカウントに『金欠ですか?』とDMが来ました。犯人は援交目的で連絡をしてきましたが、そのつもりはなかったので一度は断りました。しかし時間をおいてしつこく連絡が来て、『会ってくれるなら、たくさん支援しますよ』と何度も援交を持ちかけてきたのです。 犯人は『プチ』という性交まではしない援交を希望していて、高校の制服や中学校の体操服を持参してほしい、行為中の撮影ありなら、多めにお金を出すとのことでした。正直、撮影されるのは流出の不安があったのですが、お金をいっぱいくれるのならいいかなと思って、流出禁止を条件に承諾しました」 しかし直前に不安になったAさんは、一度はドタキャンをしている。ドタキャン後も、中村被告は「会いたいです」とメッセージを送り続け、6月15日にAさんと合流。ホテルで性的な行為に及んだうえで動画や写真を撮影したのだ。 ◆「とても興奮したことを覚えています」 取り調べの最後にAさんは、こう反省の弁を述べると同時に、中村被告への怒りを露わにしていた。 「私は遊ぶお金欲しさに犯人からの甘い誘惑にのり、援交しましたが、いま思うと危ないことをしたなと反省しています。今回の犯人のように、自分の性欲を満たすためにお金をちらつかせ、未成年を食い物にする人は刑務所に入ってほしいです」 一方、Bさんは、中村被告と会った当時はパパ活をしていたのだという。取り調べに、事件当時のことをこのように述べていた。 「私がパパ活をしていたのは1年以上前のことです。最初、私のX(旧Twitter)におじさん(中村被告)からDMが来たことでやり取りが始まったと思います。おじさんは最初からパパ活の目的で連絡をしてきたと思うので、すぐに条件の話になったと思います。撮影に応じれば、多めにお金を払うということだったと記憶しています。 私は遊ぶお金が欲しくてパパ活をしましたが、いま思うと、危ないことをしたなと思うし、やめておけばよかったと反省しています。私の性的な画像や動画が流出しないか心配なので、消してほしいですし、犯人には同じようなことを繰り返さないでほしいです」 「間違いありません」と公訴事実をすべて認めている中村被告。 取り調べでは、Aさんとの行為をこのように述べたという。 「制服や体操服に着替えてもらい、好みの服で性的な行為をしてもらって、とても興奮したことを覚えています。このとき私が経験したことを思い出として画像や動画で残し、あとで見返そうと思っていました。 警察に押収されることがなかったら、コレクションとしてずっと保存していたと思います」 中学校で生徒を指導する一方、ネットでは欲望のはけ口として同年代の少女を漁っていた中村被告。はたして、どんな気持ちで教壇に上がっていたのか。 引き続き、追起訴が行われる予定だ。 取材・文:中平良