南米ベネズエラでマドゥロ大統領が米国によって拘束され、政情が不安定化する中、急きょ暫定大統領に就いたのがロドリゲス副大統領(56)だ。長年、政権の中核を担い、トランプ米大統領が今後のベネズエラの国家運営の「カウンターパート」として挙げた政治家はどんな人物なのか。 ロドリゲス氏は、首都カラカスで左派活動家の父のもとに生まれた。ゲリラメンバーとして活動した父は、1976年に米国人実業家の誘拐に関与した疑いで逮捕され、獄中で拷問されて死亡した。 ベネズエラ中央大学で弁護士資格を取得したロドリゲス氏は、徹底した反米主義を掲げたチャベス前大統領時代から政治のキャリアを歩み始めた。マドゥロ政権下で石油相と副大統領といった要職を歴任し、頭角を現した。兄は国会議長のホルヘ・ロドリゲス氏で、一家は政権中枢に強い影響力を持つとされる。 またロドリゲス氏は、軍との関係も深く、権力との調整にたけた現実主義者との評価もある。かつて米国の制裁対象となったことがあるものの、長年政権の実務を担当しており、米国が狙うベネズエラの石油産業の事情に明るく、トランプ氏にとって好都合だとみられた可能性がある。 マドゥロ大統領が不在となり、ベネズエラ最高裁は3日、ロドリゲス氏を暫定大統領とするよう命じ、軍もこれを支持した。 トランプ氏は3日の記者会見で、ルビオ米国務長官と直接協議したロドリゲス氏が米国に協力することに同意したと説明。しかし、ロドリゲス氏は国営テレビの演説で米国の一連の動きを「野蛮な行為」などと批判し、反発する姿勢を示した。その後トランプ氏が、対米協力に応じない場合「大きな代償を払うことになる」と警告すると、ロドリゲス氏は米国に対して対話を呼びかけた。 トランプ氏による圧迫と、自身も含め反米思想の強い政権中枢の各有力者たち、さらには国内世論をにらみながら、ロドリゲス氏がどう出るかが注目される。【飯田憲】