俳優死亡ひき逃げのキャバクラ送迎車、「白タク」疑い 元社長を逮捕

舞台の稽古(けいこ)を終えた帰り道、俳優の女性は突然、後ろから来た車にはねられ、雨の路上に置き去りにされた。そして亡くなった。 走り去ったワゴン車は、キャバクラ従業員の送迎車だった。事故から3カ月、この送迎は無許可の違法行為だった疑いが浮上した。 2025年10月に帰宅中の俳優がひき逃げされて死亡した事故で、現場から走り去った車が無許可でタクシー営業をする「白タク」だったとして、警視庁交通捜査課は13日、送迎サービス業「ISANA」(東京都豊島区)元社長、小山田栄一容疑者(77)を道路運送法違反(無許可経営)の疑いで逮捕した。この車は自家用車(白ナンバー)だった。また、同じ容疑で役員2人と法人としてのISANA社を書類送検した。 事故は10月16日午前2時45分ごろに発生。東京都練馬区の青梅街道で、自転車に乗っていた俳優の高橋智子さん(当時39歳)がワゴン車にはねられ、搬送先で死亡した。 警視庁や捜査関係者によると、車には事故当時、キャバクラでの勤務を終えた女性4人が乗っており、そのまま現場から走り去った。この事故捜査の過程で、白タクの疑いが判明した。 小山田容疑者らは、共謀して10月16日、国による「一般旅客自動車運送事業」の許可を得ずに、男性運転手(39)に依頼して、キャバクラの女性従業員6人を東京・新橋から新宿区西早稲田や埼玉県狭山市にワゴン車で送らせた疑いがある。車は男性の自家用車で、男性ら3人も白タク行為のほう助の疑いで書類送検された。 小山田容疑者は逮捕前の任意の調べに「運転手には現金で報酬を払っていた。違法とは分かっていた」と説明。役員らは容疑を認めているという。 運転手の男性は、事故があった日の夜に自動車運転処罰法違反(過失致死)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕され、11月に起訴された。 小山田容疑者らは、在籍するドライバーの出勤を無料通信アプリ「LINE(ライン)」で管理。キャバクラ店の依頼に応じて、当日に車を出せる運転手を探して指示をしていたという。 ISANA社は24年11月に福祉施設の送迎サービスに従業員を派遣するとして設立された。実際は主にキャバクラ従業員の送迎をしており、25年10月までに1億7000万円を売り上げていたという。【菅野蘭】

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