フィリピンでの収容所生活「地獄のよう」 被告側「強盗しない選択許されなかった」と主張 ルフィ幹部初公判詳報(3)

《「ルフィ」などと名乗る指示役らによる一連の広域強盗事件などに関与したとして、強盗致死罪などに問われた藤田聖也(としや)被告(41)の初公判。検察側に続いて、弁護側が陳述を始める》 《弁護人は証言台付近まで歩み出ると、並ぶ裁判官や裁判員に向かって、語りかけた》 弁護人「あなたがほしいものはなんですか? 名誉、お金、生きがい、夢…。しかし今、あなたが命の危険に直面しているとしたら、まずその危険を取り除かないといけない。そのときにほしいのは、命の保障だけです」 ■大けがでリハビリ生活、気分転換にフィリピンへ 《こう述べると、弁護人はモニターに年表を映し出し、藤田被告の生い立ちを説明していく》 《被告は北海道函館市出身で、福祉系の専門学校で介護福祉士資格や社会福祉主事任用資格を取得。卒業後は市内の不動産会社に就職した》 《平成29年秋、橋の補修などに携わる作業員として働いていた頃に、右ひざの十字靭帯(じんたい)を切る大けがを負い、1カ月間の入院と1年間に及ぶリハビリ生活を余儀なくされたという》 《転機となったのは令和元年。気分転換に訪れたフィリピンで外国為替証拠金取引(FX)を始めた矢先に、被告の知人で「ルフィ」グループの幹部の一人、渡辺優樹被告=強盗致死罪などで起訴=と再会した》 弁護人「フィリピンを選んだのは、暖かくて英語が通じるからでした」 《そこでほどなく渡辺被告とともに、特殊詐欺事件に関与するようになった。しかし、翌2年には組織を抜けたという》 弁護人「ところが、藤田さんはでっちあげの事件で逮捕されました」 ■収容所では「毎日が命の危険と隣り合わせ」 《何が「でっちあげ」か説明はなかったが、3年にフィリピンで拘束された被告は、犯罪容疑をかけられた外国人用のビクタン収容所に入ることとなった》 《ビクタン収容所は賄賂が横行していることで知られる。多額の金を払えば生活が優遇される一方、金がないと狭い部屋で長期滞在することになり、わずかな食事しか与えられないという。被告はそこで立て続けに7件の強盗事件に関与する》 弁護人「そこは毎日が命の危険と隣り合わせの、地獄のような場所でした。お金がなければ何もできない。日本人と組むしかありません。自分だけ強盗をやらないという選択は許されませんでした」

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