男性漫画家の性加害を把握しながら、別のペンネームで新連載の原作者に起用していた小学館の漫画配信アプリ「マンガワン」を巡り、新たな原作者起用問題を2日、同社がウェブサイトで公表した。一連の問題点を検証する第三者委員会を設置することも発表した。 作品は「星霜の心理士」で、原作者は八ツ波樹氏。マンガワン編集部によると八ツ波樹氏は、集英社の「週刊少年ジャンプ」で連載されていた「アクタージュ act―age」の原作者マツキタツヤ氏と同一人物という。マンガワン編集部が八ツ波氏の了承を得て明かした内容によると、同氏は2020年8月、強制わいせつ容疑で逮捕・起訴され、その後有罪判決(懲役1年6月、執行猶予3年)を受けた。「アクタージュ」の連載は打ち切られた。 経緯説明によると24年8月末、マンガワン編集者がマツキタツヤ氏のSNSを通じ面会を打診。マツキタツヤ氏が「星霜の心理士」の原案となる小説「勇者一行の心理カウンセラー」を執筆していることを知った。旧ペンネームでの活動は事件の二次加害につながる恐れがあることから、編集部とのやりとりで「八ツ波樹」のペンネームで執筆することになった。「ペンネーム変更は、被害に遭われた方々のためという意識が一貫してあった」としている。 八ツ波氏は事件後に心理カウンセリングを受け、担当心理士は「心的療養、更生が十分になされていると判断している」と言い、編集部は「これをもって社会復帰を目指すことは否定すべきではない」と判断して起用した。「星霜の心理士」の作画を担当している雪平薫氏も事実を承知しているという。 小学館は、第三者委員会を設置する方針を決定。最初に発覚した「常人仮面」の原作者の件と合わせマンガワン編集部の作家・原作者起用のプロセスなどを検証する。「星霜の心理士」の更新も一時停止するとした。