「巌だけ助かればいいのではない」袴田巌さん姉・ひで子さん、冤罪救済へ即時抗告見直しを

1966年の静岡県一家4人殺害事件で死刑判決を受け、再審無罪が確定した袴田巌さん(90)の姉ひで子さん(93)は8日、日本維新の会の有志勉強会に出席し、与党審査が行われている刑事裁判の再審制度を見直す刑事訴訟法改正案について「不備のあるところを直してほしい」と訴えた。「冤罪で苦しんでいる人がたくさんいる。巌だけが助かればいいと思わない。そういう方たちもお助けしなきゃいけない」と呼びかけた。 ■「無実の人間を処刑されてたまるか」 改正原案は、再審開始に不服がある際に検察が上級審での審理を申し立てる抗告を容認する。一方、抗告は審理の長期化を招くリスクがあり、巌さんも再審請求から無罪確定まで43年の審理を強いられた。自民党の法案審査でも抗告禁止を求める声が相次ぎ、自民は政府案の修正を含めた検討を求めている。 巌さんは逮捕から58年で再審無罪を勝ち取った。ひで子さんは「なぜこんなに長くかかったのか。再審になると即時抗告する検察庁の方法が(許されている)法律があるから長くかかった」と述べ、再審開始決定に対する即時抗告の抜本的な見直しを訴えた。 ひで子さんは「見えない権力と58年戦ってきた。無実である人間を処刑などされてたまるかと思って、戦ってこれた」と振り返った。 ■前原氏「抗告を阻止したい」 再審制度の見直しを求める超党派議員連盟の顧問を務める前原誠司前共同代表は会合で、ひで子さんに対し「『巌だけが助かったらダメだ。これからそういう人を生み出さないために戦わないといけない』という話をされた。締め付けられる思いがした」と述べ、「検察官抗告を何とか阻止したい。与党のメンバーとして今の状況を変更させるために努力していく」と語った。 浅田均参院会長も、政府案について「本当に形式的なもので実態は何も変わらない。抗告の禁止条項は入っていない」と指摘した。(奥原慎平)

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