【ロンドン時事】スターマー英首相が、少女らの性的搾取で起訴され勾留中に自殺した米富豪ジェフリー・エプスタイン氏と親密な関係にあったマンデルソン前駐米大使を任命した責任を蒸し返され、窮地に立たされている。 スターマー氏は2月に側近の首席補佐官を更迭して幕引きを図ったが、ここに来て任命手続きに瑕疵(かし)があったことも判明。野党は退陣要求を強めており、支持率低迷に拍車が掛かりそうだ。 マンデルソン氏を巡っては、1月末に米司法省が公表した捜査資料で、閣僚在任時にエプスタイン氏に政府の機密情報を渡した疑惑が浮上。2月に公務上の不正行為容疑で逮捕された。 批判再燃のきっかけとなったのは16日のガーディアン紙の報道。内閣府の特別機関がマンデルソン氏の大使就任前に身辺調査を行い「不適格」と判断したが、外務省が無視したという。 スターマー氏はこの日のうちに外務事務次官を解任。「調査結果を知らされていなかった」と弁明したが、野党は「首相が調査結果を知らないのはあり得ない」(ベーデノック保守党党首)と辞任を求めた。スターマー氏が先に議会で「(任命には)適正な手続きが取られた」と答弁したことも不信感をいっそうあおった。 2024年7月に14年ぶりの政権交代で首相の座を射止めたスターマー氏だが、調査会社ユーガブが先月23日公表した世論調査によると、支持率は21%にとどまり、不支持率は70%。今回の騒動でさらに下落すれば、来月に控える地方選への影響は必至で、与党労働党内で「スターマー降ろし」に発展する可能性もある。