福岡県内の母子生活支援施設で2026年3月、負傷した状態で見つかった母娘3人のうち娘2人が死亡した事件で、施設への立ち入りが事実上制限されていた内縁の夫が事件当時、施設内にいたことが捜査関係者への取材で判明した。事件後、けがをした母親に適切な処置をしなかったとして、福岡県警が保護責任者遺棄容疑で内縁の夫を逮捕していたことも分かった。県警は娘への殺人容疑で母親を22日に逮捕した。 母子生活支援施設は、18歳未満の子を養育する母子家庭が対象で、家庭内暴力(DV)の被害を受けて避難した母子らが入居している。母親は内縁の夫からDVを受けていたため、同施設に入居し、母娘の3人で暮らしていた。 県警によると、3月10日朝、娘2人が保育園に出掛ける時間になっても部屋から出てこなかったため、不審に思った施設職員が合鍵を使って部屋を確認したところ、3人が倒れているのを発見。娘2人は意識不明、母親は首から血を流した状態で緊急搬送され、娘2人の死亡が確認された。 その後の捜査で、内縁の夫が少なくとも3月9~10日に、施設から許可を取らずに施設内に滞在していたことが判明。事件当時、負傷した母親を確認していたのに救護などをせずに放置していた疑いが浮上した。施設に入居した後に母親が内縁の夫と接触し、居場所を伝えたとみられる。 これまでの調べに、内縁の夫は「(母親が)娘2人を殺害したところは見ていない」と説明しているといい、県警は母親が娘の首を絞めるなどして殺害したとみて調べている。【川畑岳志】