名匠チャン・リュル監督「春樹」「ルオムの黄昏」日本同時公開

東アジア映画の名匠、チャン・リュル(張律)監督の最新2作品「春樹」(英題:Mothertongue)および「ルオムの黄昏」(英題:Gloaming in Luomu)が、7月3日から2作同時公開される。 2025年9月の第30回釜山国際映画祭コンペティション部門にて「ルオムの黄昏」が最優秀作品賞、同年10月の第38回東京国際映画祭コンペティション部門では「春樹」(映画祭のタイトルは、「春の木」)が最優秀監督賞と最優秀男優賞を受賞し、2作品で計3冠を獲得している。 中国・吉林省延辺朝鮮族自治州に朝鮮族3世として生まれたチャン・リュル。文化大革命期に父親が逮捕され、幼少期を母とともに農村に下放される中で中国語を習得した。延辺大学中国文学科卒業後、北京に拠点を移し小説家として活動。その後、映画監督へと転身し、以降、中国・韓国・日本を横断しながら映画を撮り続けてきた。2025年に舞台を中国に戻し、変わりゆく現代中国の中で喪失するアイデンティティを主題に完成させたのが「春樹」だ。 さらにその撮影直後、休暇で立ち寄った四川省の古都・羅目鎮(ルオム)で着想を得て、同キャストで撮影した姉妹作が「ルオムの黄昏」となる。母語を失った女の帰郷と、突然立ち去った恋人の痕跡を辿る女の旅という異なる喪失を描いたこの2作品は、それぞれ、中国映画の黄金期を支えた廃墟の映画撮影所と、歴史的に交易で栄えた古都という、かつての栄光の痕跡を残しながらも寂れゆく二つの場所を舞台に、その停滞した空気の中で、人々の時間が静かに流れていくような独特のリズムが刻まれる。傷を抱えながら生きる人々の日常にユーモアが静かに宿るチャン・リュルならではの作家性と、前作の撮影で生まれた感情がそのまま次の作品へと引き継がれ、深い部分でつながり合う姉妹作だ。 2作品で主演するバイ・バイホー(白百何)は、中国で大ヒットを記録した「モンスターハント」(2014)や、東京フィルメックス2018の特別招待作品として選出された、スタンリー・クワン監督作品「8人の女と1つの舞台」(2018)、ロウ・イエ監督「サタデー・フィクション」(2019)への出演で国際的評価を得た実力派俳優。 7月3日からシネスイッチ銀座にて2作同時公開。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする