巨人・阿部慎之助前監督 児相と警察の対応に「遅れると大事件にも」 専門家ら“相談の対象年齢外”“緊急性があるから逮捕”

巨人の阿部前監督による涙の辞任会見から一夜、波紋が広がっています。 辞任などを巡って、子育て中の親などからはさまざまな声が聞かれました。 球団史上初のシーズン半ばでの辞任となったプロ野球巨人の阿部慎之助前監督(47)。 18歳の娘ときょうだいのけんかを止めた際に、押し倒すなど暴行を加えた疑いで現行犯逮捕され、その後、釈放されました。 巨人・阿部慎之助前監督: 本当にご迷惑をかけてるなと思います。 球界の盟主・巨人の監督が家庭内トラブルでの突然の辞任。 一夜が明けた27日、街で話を聞いた子育て中の親たちからは、「人ごとじゃないですね…」「僕も子供いるんですけど、子供のけんかって親が入る。行きすぎることはあるけど、いきなり警察がっていうのはびっくり」「子供を叱ることが何かあったとして同じような経過をたどってこうなってしまったら、誰も幸せではない。人ごとではない。そこの価値観が(子供と)共有できてるか確証はない」などと波紋が広がっていました。 今回の事件を巡る児童相談所と警察の対応についても、「怖いとは思うが、一概に(児相の対応が)悪いっていうのは今の時点では思わない。(Q.結果として監督辞任)人気商売というか顔で売ってるところもあるので、いたたまれないというか、私におきかえて言うと本当に路頭に迷うだろうなと思う」「全国の親御さん、まさか自分がこうなるとは思ってないと思う。ニュースきっかけで知ることができたので、実際子供に話をするということも必要だったのではないか。かといってこれが遅れると大事件になることもある。なかなか難しいタイミング」「娘さんそこまで思って連絡したんじゃないじゃないですか。そこのところはなんとかならなかったのかなって思います」「どっちが良いとか悪いとかじゃないとは思うんですけど、今後どう動くのがいいかは、きっと児相も警察もだし、自分の胸に問いただそうじゃないけど、きっかけにはなる事件なのかな」など、さまざまな声が上がりました。 辞任会見の中で公表された娘の手紙には、今回の問題を巡る児童相談所や警察の対応について、「『どのようにすればいいか分からない』といった形で児童相談所の職員に相談させていただいたにもかかわらず、どうしたらいいかといった私の意向が聞かれることなく警察に通報されるという形になってしまいました」とつづられていました。 こども家庭庁によりますと、児童相談所の体制強化が図られたきっかけは、2018年に東京・目黒区で当時5歳の女の子が両親に虐待され、死亡した事件。 この事件で子供の安全確認などに問題があったことなどを受け、政府は児童虐待防止対策の強化に乗り出します。 児童相談所と警察との連携強化などの緊急対策が作られました。 そうした中での今回の児童相談所が警察に通報したという対応について、児童相談所に19年間勤務していた家族問題カウンセラーの山脇由貴子さんに聞きました。 児童相談所に19年勤務・山脇由貴子さん: 私は(児童相談所の対応は)適切だったと思う。お嬢さんが18歳を過ぎていたということで、児童相談所の対象は18歳未満なので、18歳を超える方の相談は受けられない。子供を助ける、保護する権限がある組織として警察を選んで、(通報は)子供を助けるための選択だったと思います。 山脇さんは、娘が18歳で児童相談所の対象外だったことから警察に通報し対応を任せたのではと指摘しました。 この点について、こども家庭庁は「対応するのは原則論では18歳未満だが、現場の判断もあるので18歳になっているから一切対応しないということではない」としています。 一方、通報を受けた警察の逮捕という判断について、元埼玉県警捜査1課の佐々木成三さんは、「本当に難しかったと思います。この判断は。緊急性があるから『逮捕』しているわけですよね。まずは被害者の安全を第一に優先した判断だったと思う」と、安全を優先し逮捕という判断に至ったのではないかと指摘しました。 元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さん: 「任意同行」にすればよかったのでは、というのは僕も結果論ではそっちの方がいいんじゃないかなと思う。ただ「任意」なんですよ、拒否できる。「逮捕」というのは強制的に加害者と被害者を分離することができる。そういった1つの判断もあったかもしれない。 プロ野球の人気球団の現役監督が家庭内のトラブルで辞任し、世間に大きな波紋が広がった今回の問題。 こども家庭庁は、「個々のケースにもよるが、子供の意見や意向を確認して対応することを重視している。ためらわずに児童相談所への相談・通報をしてほしい」としています。

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