被害者参加は「身を守り、前に進むためのプロセス」 支援の弁護士、対象事件拡充に期待

法制審議会(法相の諮問機関)の15日の会合では、法廷で意見を述べる「被害者参加制度」の対象事件を拡大し、ストーカー規制法違反事件を追加することなどが議論される見込みだ。犯罪被害者支援に力を入れ、被害者代理人としても多くの事件に関わってきた北本純子弁護士(大阪弁護士会)は「被害者の自衛のためにも拡大は必要」と訴える。 現在、被害者参加は殺人や傷害など人を死傷させる犯罪や、不同意性交・わいせつなどの性犯罪に限定されている。ストーカー規制法違反などは、これらの対象事件に比べると量刑が軽く、執行猶予付きの判決も珍しくない。 だからこそ被害者にとって、判決後の被告の状況は生活を左右するほどの関心事となる。北本氏は「被告が反省しているか、再犯防止の態勢が取られるかを、被告自身や生活を支えることを約束する家族などの証人に、被害者目線でただすことが、裁判が終わった後に身を守ることにもつながる」と指摘する。 また、ストーカー被害の恐怖の実感や事件の背景を「被害者が公判で直接訴える意義は大きい」と強調する。 現行制度で参加が認められていない被害者が裁判の経過を知るためには一般傍聴席に入るしかない。しかし遮蔽などの措置がないため、ほかの傍聴人や被告に見られるリスクがあるほか、精神的な負担を負う。被告人質問や証人尋問などの権利もない。 北本氏が被害者支援に携わった事件では、加害者が強制性交容疑で逮捕されたものの、別の罪で起訴されたため被害者参加制度を使えなかった。被害者側は法廷で被告人質問ができず、一般傍聴席で涙をのんだという。 北本氏によると、被害者にとって、裁判への参加は被害と向き合うつらい作業で、判決も納得のいくものにならないことがほとんどだ。それでも事件に区切りをつけ、「前に進むプロセス」になるという実感はあるといい、被害者参加制度が柔軟に運用されるようになるような見直しに期待している。(永井大輔)

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