警視庁は4日、東京都中央区の探偵事務所に対し、ある女性の調査の依頼があった40代の男に関して、ストーカー行為などをする恐れがあると通知し、今後はこの女性の情報を提供しないよう要請した。今年3月に施行された改正ストーカー規制法に基づく全国初の措置という。 警視庁人身安全対策課によると、探偵事務所の代表取締役の男性は今年1月、自営業の男から女性についての調査を依頼され、3月に住所などを含む調査報告書を渡した。依頼時には、「金銭トラブルの解決のため」とだけ伝えられ、探偵業者側は調査結果がストーカー行為に使われるとは思わなかったという。 男は女性の元交際相手で、調査結果で得た住所宛てに、女性を脅迫する手紙を送りつけたとされる。女性の相談を受けた警視庁は4月に男を脅迫容疑で逮捕。5月に釈放したが、脅迫行為がストーカー規制法が禁じる乱暴な言動や名誉を害する行為にあたると判断。5月に同様の行為をしないよう男に禁止命令を出していた。 今後、探偵事務所がこの男に女性の情報を提供した場合、ストーカー行為の幇助(ほうじょ)罪などに問われる可能性があるという。 警視庁によると、2022~26年、探偵業者などがストーカー目的と知らずに情報を提供した事例は19件確認された。警視庁の担当者は、「依頼を受ける際には依頼主の意図を注意深く確認してほしい」と話している。(平川仁)