熊本県松橋町(現宇城市)で1985年に男性が殺害された「松橋事件」で、再審無罪が確定した故宮田浩喜さんの遺族が、国と県に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁は27日、国と県に計約2300万円の支払いを命じた。岡田健裁判長は、県警の逮捕前の取り調べが「自白させることが目的と認められ、任意捜査の限度を超え、違法と言わざるを得ない」と認定した。 昨年3月の一審熊本地裁判決は、検察が刑事裁判で注意義務を怠ったと判断する一方、県警の捜査の違法性を認めず、国のみに同額の支払いを命じていた。高裁は一審判決を取り消し、県も連帯して支払うよう命じた。 一審判決は、凶器に巻き犯行後に燃やしたと自白したシャツ片が残存していたのに、検察官が明らかにせず公判を続けたと判断していた。 宮田さんは90年に懲役13年が確定し服役。自白の信用性に疑問があるとして再審開始が認められ、2019年に再審無罪が確定した。20年に提訴した後、死去した。