”夜回り先生”水谷修さんの講演会。 その実施回数は5200回にのぼる。 半数以上が学校での講演だ。 しかし、学校側の予算には限りがある。 そのため、移動や宿泊にかかる費用など不足する分は水谷さんが私費を投入してきた。 今、その資金も枯渇しているという。 一人でも多くの子供たちに「いのちの授業」を届けたいという思いを実現するため、水谷さんは今年3月〜4月にかけ「夜回り先生の講演会を全国のこどもたちに」と題したクラウドファンディングを立ち上げた。 1000万円集めて学校など100校での講演を目指すという内容だった。 集まった支援金の総額は1176万7000円。 水谷さんは支援金に私費を加え、2027年3月までに予定より50校多い150校で講演を行うことを決断した。 今年70歳となる”夜回り先生”水谷修さん。 新たな形で学校での講演会に臨んでいる。 ■「横浜市立暴力団養成所」と呼ばれた学校に異動 夜回りが始まる 2025年、福岡県久留米市で「若者たちに広がる覚せい剤、大麻、市販薬乱用-夜回り先生、いのちの授業-」と題した講演会が開催された。 講師として迎えられたのは水谷修さん。 「夜回り先生」として知られている。 水谷修さん(夜回り先生) 「どうですか?夜回り先生本人、テレビで見るより白くて薄くてびっくりした方たくさんいると思います。69になりました。ただ普通の69の人間ではないようです。少なくても今ここにいる皆さん方とは全く違う世界を人生の半分以上35年生き抜いてきた人間です」 水谷修さん(夜回り先生) 「皆さんは昼の世界の住人。朝眠いのに起こし起こされ、慌てて飯を食って、大学に。昼は勉強して、夜は部活かな?あるいはアルバイト。家に帰って美味しい飯食って、テレビ見て眠る。君たちはそういう昼の世界の住人だと思います。私は35年間夜の世界を這い回ってきた人間です」 35年前、水谷さんは横浜の進学校から夜間定時制高校に自ら異動した。 当時の夜間定時制高校は荒廃していた。 廊下をバイクが走り回り、授業中に警察官が突入して生徒に手錠をかけ、校内で覚醒剤やシンナーが売られていた。 関東1都6県で3000万円の窃盗を働いた生徒、連続強盗を犯した生徒、白骨死体で発見された生徒。 横浜市民から「横浜市立暴力団養成所」と呼ばれたその学校で、水谷さんは夜回りを始めた。 学校に来ない子供たち、夜の街を彷徨う子供たちを1人でも多く教室に戻したい。 その思いで夜の11時から朝の4時5時まで、毎晩のように横浜の夜の街を回った。 生徒が新宿に売られたと聞けば新宿に、渋谷に家出したと聞けば渋谷に入る。 有名になってからは全国各地を講演で回った。 北は稚内、南は石垣まで夜回りをやったことのない街はないという。