ラグビーコラム 「スクラム組んで非行防止!」青少年の健全育成にも寄与するラグビー憲章

【ノーサイドの精神】大阪市内で7月下旬、2日連続で非行防止、防犯教室と題するラグビークリニックが開催された。 『スクラム組んで非行防止!』『少年非行にタックル!』を合言葉に大阪府警ラグビー部員がコーチ役を務め、誘惑が増える夏休み中の中高生にラグビを指導するとともに非行防止を誓い合うのが目的だ。28日は生野署、29日は都島署が主催し、それぞれ約90人、約50人の中高のラグビー部員らが参加。猛暑の中、大粒の汗を流しながら元気な声を響かせた。 この試みは高校時代に奈良・天理高主将として1989年度の花園で優勝し、大阪府警でもプレーした生野署生活安全課少年係長の寺尾道広警部補(55)が中心となり、同署が4年前から始め、今年、府警ラグビー部OBがいる都島署も加わった。 同署の中尾太署長は「ラグビーのチームワーク、フェアプレーの精神は少年を非行から守り、正しく導く健全育成の精神と共通するところが多いと考えている」と説明した。 ひいき目もあるが、記者もラグビーは青少年の健全育成に特に効果的なスポーツではないかと思っている。今年5月に亡くなった〝泣き虫先生〟こと元伏見工(現京都工学院)総監督の故山口良治氏をモデルに熱血教師が荒廃した高校をラグビーの力で立て直し、わずか7年で日本一に導いた奇跡を描いたテレビドラマ「スクール☆ウォーズ」でよく知られる例もある。 大阪府警の森野傑監督も「人を思いやり、ルールを守って困っている人を助けるとか、体を張って味方を生かすという自己犠牲の精神が他の競技より強いところがあるからではないでしょうか」と賛同してくれた。 とはいえ、昨年夏に天理大の部員2人が大麻を所持したとして麻薬取締法違反の疑いで逮捕されるなどラグビー界でも不祥事が後を絶たないのが現実だ。 その天理大の件に限らず、近年は若者層への大麻のまん延が深刻な状況になっている。警察庁の発表によれば、2025年に大麻事件で摘発されたのは6832人と過去最多を更新し、このうち20代が3633人、20歳未満が1373人の計5006人と20代以下が7割以上を占める。高校生も315人、中学生も28人おり、いずれも過去10年で大幅に増加した。 そんな現状をどう変えていくか。国際統括団体「ワールドラグビー」が制定した『ラグビー憲章』では、定めを守り、高潔で品位にあふれた人間性を育むことなど、ラグビーに関わるすべての人が共有すべき重要な価値観(コアバリュー)として「品位」「情熱」「結束」「規律」「尊重」の5つの言葉を掲げている。(月僧正弥)

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