パワハラで失職の秋田・鹿角市長の関厚前市長、出直し選で敗れる 新人の笹本真司氏が当選

市長失職に伴う秋田県鹿角市長選が27日投開票され、いずれも無所属で新人の元市議、笹本真司氏(39)が、前職の関厚氏(71)や新人3人を抑えて初当選を果たした。 開票結果(選管確定)は笹本氏が5268票、前職の関厚氏(71)が4746票、新人で元市議の金沢大輔氏(51)が2367票、同じくIT技術者の奈良大気氏(40)が754票、同じく元文部科学省職員の藤井陽光氏(77)が436票。投票率は58・41%だった、 初当選を決めた笹本氏は選挙事務所で詰めかけた支持者らから花束を贈られ「まだ30代の私に市民が将来をかけてくれた。大きな責任を果たす気合は十分で、これからが勝負」と喜びの第一声。 そして、前市長の「パワハラ」などを理由に関係が悪化した市長と議会について「関係を修復して市政を新たな方向にもっていきたい」と意気込みを語った。 一方、再選を果たせなかった関氏は選挙事務所で「これだけ多くの票をいただきながら再選できなかったことは私の責任」と唇をかみしめた。 鹿角市では関氏の先代の元市長が4年1月、在任中の官製談合防止法違反容疑などで逮捕され、同7月に秋田地裁が同罪で懲役3年、執行猶予4年を判決している。 関氏はこれまで「元市長がいまだに一部の市議や市幹部にいろいろ指示を出す極めて異常な状況にある」と指摘していた。 関氏は「4746人の有権者が市政浄化の期待を私にかけてくれた。この重みを今後どう行動に移すか、後援会とよく相談したい」と打ち明けた。 同市では、元市長の汚職の舞台となった道の駅の改革などをめぐり議会が関氏と対立。汚職に関連した部署の職員から関氏が聞き取りを行った際に「パワハラがあった」と議会側が指摘し、設置された第三者委員会が今年1月にパワハラ発言12件を認定した。 これを受けて議会は賛成多数で市長不信任を決議したが、関氏は辞職せず議会を解散。市議選はもともとの任期満了に伴う日程で3月に行われ、同21日に開かれた改選後の本会議で2度目の市長不信任が賛成多数で決議され、関氏は同日限りで自動失職した。

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