F1元世界王者のジェンソン・バトン氏と妻ブリトニーさんが、英ロンドンで25万ポンド(約4800万円)の窃盗被害にあったことが明らかになった。 英紙「デーリー・メール」は2月にバトン氏夫妻が窃盗被害に遭ったことを詳報。「ジェンソンがドライバーの車への荷物の積み込みを手伝っていたところ、男が飛び込んできて、わずか数秒で彼女のスーツケースを奪って走り去ったと説明した。スーツケースにはケリーバッグ2つや、結婚式や娘の出産の際に買った数え切れないほどの思い出の品、アンティークのジュエリーなど、25万ポンド以上の品々が詰まっていたと明かした」と伝えた。 ブリトニーさんは「普段は公共の場や旅行中はかなり用心深いのですが、まさかギャングが人々を待ち伏せして監視しているとは思いもしませんでした」と涙ながらに語った。 その後、英国交通警察が防犯カメラの映像を解析して私服警官が犯人を逮捕。ムラド・エイド容疑者は事件発生から5日後に、ウエストミンスター治安判事裁判所で窃盗罪を認めた。 ただ、盗まれた思い出の品はネット上で転売されて戻ってこなかったという。「彼女はおそらく盗まれた品物を取り戻すことはできないだろう。盗まれた品物は事件のわずか数日後にオンラインでリストアップされている」と同紙は指摘。ブリトニーさんも「おそらく二度と取り戻せないだろうし、一体どれだけの人の手に渡ったのかも分からない」と悲痛に訴えている。 こうした事態を受けて、ブリトニーさんは英国の治安悪化を指摘した。「夫と私はイギリスに戻るつもりは全くありません」とした上で「とても危険で、以前とは違っているように感じます。子どもたちの祖母や叔母が住んでいる場所なので、残念です」と語っている。 英国では近年だけでもF1関係者が被害にあった高額窃盗事件が相次いでいる。治安悪化による影響なのか、現地の状況が気がかりだ。