大阪府豊中市の集合住宅の一室で先月30日、男性が首などを刺されて死亡した事件で、大阪府警は1日、男性の身元は住居不詳の飲食店店長、竹中維吹(いぶき)さん(24)だと判明したと発表した。府警は司法解剖して死因を詳しく調べる。 事件は4月30日午前0時半ごろ発生。府警は、現場近くの路上で血の付いた包丁(刃渡り約16センチ)を所持していたとして、部屋の住人で会社員の杉本孝裕容疑者(52)を銃刀法違反容疑で現行犯逮捕した。「家の中で飲み屋の店長を刺した」と話しており、関連を調べている。 事件前、竹中さんと店の男性従業員(45)が杉本容疑者宅を訪れた際にトラブルになったとみられ、従業員が「包丁で切られた」と110番通報していた。 府警は同日、従業員の顔面を包丁で切りつけたとして、杉本容疑者を殺人未遂容疑で再逮捕した。「もう1人も殺すつもりだったが、近づくと逃げていった」と供述しているという。 従業員の府警への説明では、飲食店に客として訪れた杉本容疑者が代金を支払わなかったため、回収のために竹中さんと杉本容疑者宅を訪れたという。(宮坂知樹)