愛知県田原市の住宅で高齢夫妻の遺体が見つかった事件で、祖父(75)への殺人容疑で逮捕された高校2年の少年(16)が、県警の調べに「祖父母が両親に指図したり、両親と口論したりしているのを見聞きするのが嫌だった」という趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材でわかった。県警は、家庭内の事情がきっかけとなり、犯行に及んだ可能性があるとみて慎重に調べている。 捜査本部によると、少年の逮捕容疑は、9日午前2時ごろ、自宅で祖父の首などを刃物で刺すなどして殺害したというもの。容疑を認め、祖母(72)の殺害についても関与をほのめかしているという。 捜査関係者によると、少年は5人暮らしで、少年と祖父母が母屋で暮らし、少年の両親が離れで暮らしていた。少年は、県警の調べに、家事など両親の生活態度をめぐって、祖父母が両親を叱責(しっせき)する様子を自宅で繰り返し見聞きしていたと説明。祖父母と両親が口論する声が自室まで聞こえることもあったといい、苦痛に感じていたという。 少年は捜査に「自宅にあった包丁で、祖父、祖母の順に刺した」などと供述していたが、動機に関して当初、曖昧(あいまい)な説明をしていた。県警は、両親への聴取も踏まえ、家庭内にこうした不和があり、動機につながったとみて詳しく調べている。