警察官や検察官を名乗る男らから、SNSのビデオ通話でニセの逮捕状を示されるなどして、北九州市の70歳の女性が、計1億3000万円相当の暗号資産をだまし取られました。 警察によりますと、ことし3月、北九州市八幡西区の70歳の女性のスマートフォンに「この電話は不正が確認されたので2時間後に使用できなくなる」「今から兵庫県警の方に電話を代わる」などと電話がありました。 電話を代わった男は兵庫県警の警察官を名乗り「大きな詐欺事件の犯人側の人間としてあなたがあがっている」などと言いながら、女性をSNSに誘導したということです。 女性は、SNSのビデオ通話で警察の制服や手帳のほか自身の逮捕状とされるものを示された上で、検察官を名乗る男から銀行や信用金庫、暗号資産取引所の口座を開設するよう指示されました。 さらに女性は指示されるがまま、4月から5月の間に4度にわたって、計1億3000万円相当の暗号資産を購入し、その暗号資産を指定された口座に送ったということです。 その後、男らと連絡が取れなくなったことからだまされたことに気づき、警察に被害を届け出ました。 警察は「警察官がSNSで事件の内容を伝えることや送金させることはありません」とした上で、警察を名乗る電話はすぐに切るよう強く注意を呼びかけています。