〈台湾トップ・ミュージシャンも出演した豪華キャストのオムニバス・ストーリー【日本初上映『タイペイ、アイラブユー』】〉 から続く リム・カーワイ監督をキュレーターに迎え、日本未公開の台湾映画を上映する「台湾文化センター 台湾映画上映会」。その第2回が5月25日、慶應義塾大学三田キャンパス西校舎ホール(東京・港区)で開かれた。台湾現代史の闇を描いたミステリー・サスペンス大作に会場の観客は身じろぎもせずにスクリーンを見つめていた。( ) ◆◆◆ この日上映されたのは、『ひとつの太陽』『瀑布』などで知られるチョン・モンホン監督の最新作、『余燼(よじん)』。上映後のトークイベントには赤松美和子氏(台湾文学研究者・日本大学文理学部教授)、本作で日本語字幕を担当した吉川龍生氏(慶應義塾大学経済学部教授)、リム・カーワイ監督が登壇。日本でもファンの多い本作のチョン・モンホン監督はオンライン参加の可能性が予告されていたが、都合が合わずに欠席となった。 『余燼』 2006年、台北の市場で白昼、男が刺殺される事件が発生。警察官の張(チャン・チェン)が捜査を開始すると、他にも不審死・失踪など不可解な事件がいくつも発生していることが明らかとなっていく。一連の事件につながりはあるのか。いまなお社会に燻り続ける「白色テロ」の悲劇と、壮大な復讐計画とが、過去と現在を交錯させながら描かれていく。 2024年/162分/台湾/原題:餘燼/英題:The Embers 監督・脚本:チョン・モンホン/出演:チャン・チェン、モー・ズーイー、ティファニー・シュー、チン・シーチェ、リウ・グァンティン、チャン・イーウェン、マー・ジーシアン、チャン・ジーヨン/©本地風光電影