ジャーナリスト投獄数で世界をリードする中国が皮肉を込めた書き込み!米・RFA消滅危機が世界にもたらすこと

米政府系報道機関ラジオ・フリー・アジア(RFA)のファング会長が、5月2日付けニューヨーク・タイムズ紙への寄稿‘China Wants to Silence My Organization. Why Is Trump Doing It?’で、「中国共産党機関紙『環球時報』の元編集長は、RFAが間もなく消滅することを祝い、『素晴らしいニュースだ』と書き込んだ。この重要な瞬間にRFAを完全に闇に葬ることで、米政府は情報空間を中国に譲り渡すことになり、習近平国家主席の術中にはまることになる」と指摘している。要旨は次の通り。 RFAは、中国共産党がすべてのメディアを掌握している中国において、重要な影響力を持っている。ジャーナリスト投獄数で世界をリードする中国共産党は、ソーシャルメディアを執拗に監視し、中国政府の公式見解に反するコメントをネット上に書き込む人々を処罰する。検閲と監視技術は、一般中国人に公開されないニュースをブロックするために、常にアップグレードされている。 妨害や脅迫にもかかわらず、少なくとも4410万人のユーザーが毎週、中国政府のネット検閲システムGreat Firewallを突破し、北京語、広東語、ウイグル語、チベット語によるRFAの報道を視聴している。彼らは自然災害、抗議活動、党内対立、台湾の民主化などのテーマについて「真実」を知るためにRFAを求めている。そのつながりは双方向である。一般市民は貴重なニュースのヒントを提供し、約30年にわたってRFA報道の原動力となってきた。 今日、トランプ大統領の行政削減の一環として、RFAは消滅の危機に瀕している。3月15日、RFAの親機関である米国グローバルメディア局は、RFA全体の運営資金を賄う6000万ドルの助成金が取り消されたと我々に通告した。RFAは、議会が計上した資金を受け取ることができなくなった。 米国が、中国における自由で検閲のない報道を提供することから手を引く一方で、中国政府は世界的規模で偽情報工作を強化している。中国は、世界中のメディアに対して影響力を増すために毎年数十億ドルを使っている。その中には約50の言語によるラジオ番組、70カ国以上で運営されている中国国際テレビ局(China Global Television Network)も含まれている。中国政府は公式の放送やウェブサイトだけでなく、アフリカ、太平洋地域、東南アジアのメディアにコンテンツを提供している。 中国共産党の機関紙『環球時報』の元編集長は、中国の人気ソーシャルメディア・微博(ウェイボー)でRFAが間もなく消滅することを祝い、「素晴らしいニュースだ」と書き込んだ。この重要な瞬間にRFAを完全に葬ることで、米政府は情報空間を中国に譲り渡すことになり、習近平の術中にはまることになる。 RFAの存続は米国の国益にとって、中心的課題である。最近発表された国家情報長官室の年次脅威評価では、トランプ政権が中国を米国の安全保障に対する最大の脅威と考えていることに疑問の余地はない。

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