末端価格約5億3千万円相当の覚醒剤を仙台空港に密輸したとして、宮城県警は、マレーシア国籍の男女2人を、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕したと12日発表した。仙台空港で覚醒剤密輸事件が発覚したのは初めてで、不正薬物の密輸事件としても金額、量ともに過去最大という。 5月15日に逮捕されたのは、住所不定、自営業モサディック・ビン・ハジ・ソラニ(52)と、看護師ファリダ・ビンティ・マンソール(46)の両容疑者。 県警によると、両容疑者は婚約者を自称し、旅客機でマレーシアから台湾を経由し、5月13日に仙台空港へ。覚醒剤を溶かした液体を染みこませたウェットティッシュ計25袋をリュックサックやスーツケースに隠して密輸した疑いがある。覚醒剤は計約9・2キロ(末端価格計約5億3千万円)に上るという。 税関によると、手荷物検査の過程で、職員が不正薬物探知装置に通したところ反応。試薬の検査で判明したという。 仙台地検は今月4日、2人を同罪で起訴。税関は12日、2人を関税法違反(輸入未遂)容疑で地検に告発。捜査当局は認否を明らかにしていない。(手代木慶)