特殊詐欺への加担、未成年狙う「リクルーター」に注意 裏の顔隠し「遊び仲間」に

特殊詐欺の被害に歯止めがかからない中、報酬目当てで犯行に加担する若者が後を絶たない。県警によると、多くは交流サイト(SNS)の「闇バイト」が“入り口”になっているが、未成年者の場合は主に犯行グループとつながる「リクルーター役」の勧誘がきっかけとなっている。未成年者のリクルーター役も確認されており、友達になるふりをして近づいてくる可能性もある。警戒を強める県警は「一度でも犯罪に手を染めると人生を台無しにする。誘われてもきっぱり断って」と注意を呼びかける。 大船署が2月に詐欺容疑で逮捕した高校1年の少年(16)=住所不定=は、地元の関西地方で約1年前に知り合った遊び仲間の男(19)に誘われたという。借金返済について相談したのが始まりだった。 かつての交際相手や友人から借りた金は計数十万円。返すあてがなかった少年は、男の「紹介できる仕事がある」との誘いに乗った。言われるままに秘匿性の高い通信アプリを使い始めると、何者かから「神奈川で仕事がある」とメッセージが届いた。そこで指示されたのが特殊詐欺の「受け子」や「出し子」だった。 「やばい仕事だ」-。少年はためらいを覚えながらも欲に勝てず、犯行グループから受け取った金を使い新幹線で神奈川に向かった。1~2月にかけて鎌倉市内を中心に十数件の特殊詐欺に関与したとみられ、署は捜査を続けている。 逮捕後、少年は「借金を返すよう(元交際相手から)言われ、何とかして返したかった」と供述、反省の様子を見せているという。署は特殊詐欺に誘った男が犯行グループとつながるリクルーター役とみている。

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