課金代行依頼、11人摘発 「ゲーム内通貨」詐取容疑 業界被害10億円超、「利用しないで」・警視庁

オンラインゲームで使う「ゲーム内通貨」を課金代行と呼ばれる手段で安価に入手したなどとして、警視庁が昨年6月からの1年間に、電子計算機使用詐欺容疑で、代行業者に依頼していた30~60代の男女計11人を摘発したことが30日、捜査関係者への取材で分かった。 課金代行によるゲーム内通貨の詐欺被害が少なくとも大手ゲーム会社2社で計10億円を超えることも判明。同庁幹部は「定価より安い価格と知りながら入手を依頼すると罪に問われることがある」と注意を呼び掛けている。 課金代行は、依頼者からパスワードなどを聞き、本人に代わってアカウントを操作してゲーム内通貨などの課金をする行為。11人の依頼を受けた業者はゲーム会社のサーバーに虚偽情報を送信し、ゲーム内通貨を詐取していた。 捜査関係者によると、11人は2022年9月~23年1月ごろ、課金代行業者に依頼し、ゲーム大手セガとスクウェア・エニックスが発行する計約2400万円相当のゲーム内通貨を不正に安く入手。同庁サイバー犯罪対策課は電子計算機使用詐欺容疑で11人を逮捕したり、書類送検したりした。 課金代行業者はゲームのアカウントやアイテムを売買する「リアルマネートレード(RMT)」サイトで顧客を募っていた。計約380万円相当のゲーム内通貨を計約24万円で入手した依頼者もいた。11人のうち3人は、昨年8月、セガからゲーム内通貨を詐取したとして同庁に逮捕された中国籍の課金代行業者の男(33)に依頼していたという。 課金代行を巡る被害が23年1月までに、セガで計約1億3000万円、スクエニで計約8億8000万円に上ることも判明した。 対策を講じ、同様の手口による新たな被害は確認されていないが、セガの担当者は「課金代行を依頼してゲーム内通貨を入手した側も罪に問われることがある」と指摘。「詐欺や不正アクセス被害に遭う可能性もある」などとして、課金代行を利用しないよう注意を呼び掛けている。

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