【AFP=時事】中米エルサルバドル政府は6月30日、ナジブ・ブケレ大統領による取り締まりに抵抗し、新たなギャングの結成を企てた疑いで、数十人の高校生を逮捕したと発表した。 ブケレ氏が2022年3月に非常事態宣言を発令し、「犯罪組織撲滅戦争」を開始して以来、当局が新たなギャング結成の企てを公表するのは今回が初めて。 ロドルフォ・デルガド検事総長は、質疑応答を認めない記者会見で、「高校生主導のギャング結成の試みを阻止したことで、組織犯罪の防止に向けた決定的な一歩が踏み出された」と述べた。 デルガド氏によると、先週、未成年者14人を含む46人の高校生が逮捕された。「違法組織」への所属と「性的性質」の犯罪の罪で起訴される予定だという。 このギャングは三つの学校で活動し、ブケレ氏による既存のストリートギャングに対する取り締まりによって生じた「犯罪組織の権力の空白」を埋めようとしていたという。 グスタボ・ビジャトロ法務・公共治安相は記者会見、この高校生ギャングは悪名高い犯罪組織「マラ・サルバトルチャ(MS-13)」と「バリオ18」の「あらゆる特徴」を備えていると説明。「われわれはこの種のギャング活動を容認しない」と述べた。 政府によると、エルサルバドルでは過去3年間で、ギャングの構成員または協力者とされる約8万7000人が逮捕された。 ブケレ氏によると、取り締まりで誤認逮捕された約8000人の無実の人々が釈放されたが、活動家らは数千人が依然として拘束されていると主張している。 人権団体はブケレ氏の手法を批判し、エルサルバドルにおける権威主義の台頭を警告しているが、同国では殺人発生率が劇的に低下し、ブケレ氏の人気は高まっている。【翻訳編集】 AFPBB News