特殊詐欺の詐取金を持ち逃げした男に暴行を加え、監禁するよう指示したとして、警視庁組織犯罪対策特別捜査隊は、逮捕監禁と傷害の疑いで、沖縄県石垣市の職業不詳、森拓実被告(27)=窃盗罪で実刑判決、控訴中=を新たに逮捕した。組特隊によると、事件当時、森容疑者は詐欺事件の公判中で保釈されていた。 警視庁はすでに実行役の男5人を逮捕。森容疑者は実行役らが関与する特殊詐欺グループのリーダー格で、詐取金を持ち逃げした男への「制裁」を指示したとみられる。 逮捕容疑は令和6年11月、実行役と共謀して、埼玉県川口市で「出し子」の男(25)=窃盗罪で有罪判決=を車に乗せて結束バンドで縛り、東京都江戸川区のホテルに連れ込み、顔を殴って左ほお骨を折るけがを負わせるなどしたとしている。 組特隊によると、被害者の男は昨年10月、ATMから引き出した230万円を持ち逃げしていたという。森容疑者は匿名性の高い通信アプリ「テレグラム」で、実行役に監禁などを指示。ビデオ通話で、「次飛んだら殺すからな」などと男を脅していたという。 森容疑者は4年2月~5月1月、特殊詐欺事件に関与したとして、4回にわたり逮捕、起訴されたが、公判中の5年3月に保釈された。今年3月に実刑判決を受けて一時、収監された。