長崎県佐世保市で高校1年の女子生徒が同級生の女子生徒に殺害された事件から11年となるのを前に、2人が通っていた高校で23日、全校集会があり、校長が校内放送で講話、二度と同じ悲劇を繰り返さないよう誓いを新たにした。 校長は「命のつながりの大切さ、共感する能力を磨いてほしい」と訴えた。また、ノーベル平和賞受賞者の故マザー・テレサの言葉を引用し「共感する気持ちが優しい言葉となり、優しい言葉が周囲に安心を与える」と呼びかけた。講話の後、生徒らは被害生徒に黙とうをささげた。 事件については「一人の生徒が不条理にも命を奪われ、夢を絶たれた」と説明し、詳細には触れなかった。終了後の記者会見で校長は「生徒に命の大切さを伝えることが目的であり、発達段階の生徒の心情に配慮した」と話した。 事件は2014年7月26日に発生。同級生の女子生徒を殺害したとして県警は当時15歳の少女を殺人容疑で逮捕。長崎家裁は15年7月、少女を医療(第3種)少年院に送致する保護処分を決定した。少年院の収容は23歳未満までだが、福岡高裁が法令上限の26歳未満までの収容継続を認めた。少女は現在26歳、社会復帰しているとみられる。